ロウきゅーぶ!SS 第12話

 告白はなくてよかったんじゃ?。
 いやまぁ実は告白云々だけは感想サイトさんかなんかで目にしてたんだけどな。物語を閉じるに当たって結論をってことなんだろうね。おそらく物語の主軸ではなさそうなんで(いや、ヘンな話、この物語自体は昴ともっかんのものではあるんだが)、構わないといっちゃぁそうなんだけど、そうしないほうがむしろ美しいと思うのに、何であえて描写すると決めたのか?には考えさせられるものがある…といってもどうでもいゝことなんだけど。
 試合の帰趨については、自分の期待通りではあったんだけど、難しいところだな。勝った上で勝ち負け関係なしにバスケが楽しいと言われても、負けたチームにとってはイヤミなだけだし、負けて…といった場合には、勝てなかったことをごまかしていると思われても仕方がないわけで、いやしかし、バスケなんて、基本体力勝負だからポッと出のチームが小手先の技術で勝つってのは実際基礎的運動能力が高いという選手でなかったらというのはある。とはいえ、成長著しい年代なので、そのへんムラがあって、初心者でもイヽ線行くってのはわりとあることだとは思う。いや、そういうのはどうでもいゝな。
 何年か前に見たアタックNo.1を思い起こすとやはり隔世の感があって、しかし、アタックNo.1はむしろスポーツ初期のおゝらかさがあった時代。バレーボールではやれ回転レシーヴやクイックができたゞけで勝利につながっていたが、今やそれらの技術は中学生でも必須のものになってしまっている。コーチング技術が今のように発達して、スキルの有り無しがもうそのスポーツでのキャリアパスに致命的な違いをもたらすわけで、「誰でもスポーツで楽しむ」という場が著しく少なくなってきているような気がする。バスケットボールだとSLUMDUNKを起点とするブームで3on3とか草バスケの範疇で、素人にも楽しめる環境ができるのか?とも思ったんだけど、今になってみれば、もうそういうっ場は見かけなくなってしまっているし、小学生の少年スポーツから高校までのいわば学校スポーツ自体がすごく敷居の高いものになっており、そういう中でスポーツの楽しさの原点を描こうとしてるんだろうなというのが窺える作品だった。
 いやだってさ、全国レヴェルを目指すチームは幼少期からの経験者で、しかも選別が終わっており、昨日今日興味を持った子供が夢を持って部活動をしたところで限界があるわけでサ、かといってお遊びだけの部活動じゃなくて、それこそ全国大会出場とまではいかないけど、好きなことに熱中するだけのモチベーションがあるからそれなりに頑張りたくて、というからにはお遊びで済んじゃう部活動じゃダメで…ってことになると、20年前ならともかく今や小中高とも少子化の影響で部員の確保の点からもスポーツの種類も減っていて、そういう中堅の部活動が減っちゃってると思われるんだよね。
 で、そういう子供が楽しむスポーツという観点じゃなくても、じゃぁ学齢期を過ぎて、成人スポーツとしてもどうなんだ?と言われると、サビ残とか通勤とか、家庭のことを考えると気楽に楽しめる環境ではなくなってきており、いやもちろん、地方だと人口流出でスポーツクラブ自体がない状態。ましてや小中高で体験してないスポーツをやれ興味を持ったからといって初心者が取り組めるって機会があるのか?と言われるともうね。いやまぁスポーツを国民全員が楽しまなくちゃならないって事もないんだけど、興味を持ったそれぞれで、それぞれのレヴェルに応じて楽しめるって場は少なくなってきているわけで、余暇の過ごし方という見方は大袈裟なんだけど、なんか社会としての余裕は確実になくなってきてる。で、そういうのは商業スポーツの行き過ぎだとか、それに伴う学校スポーツの囲い込みの弊害は確かに大きくて、それに対するアンチテーゼとしてゞはなく、もうちょっと楽しむという視点での提示を行っているような気がした。
 というわけで、ヘンな話、キレイ事てんこ盛りのファンタジー世界であるとか、ロリ萌えアニメで、そういうサーヴィス要素が多いというのにはちょっと閉口もしたんだが、というか、惜しいと感じたのだが、メッセージ性としては結構唸らせるものがあったと思う。ホントはそういうスポーツを楽しもうとする中堅層に訴えかける作品は三次ドラマでこそやるべきだと思うんだけど、三次ドラマだと人間関係の軋轢にはナイーヴにならざるを得ず、かといって直球な物語は視聴率を稼げそうにないわけで、かといってその中堅層が手堅くまとめられた物語をアニメで視聴するか?と言われると、それは全くそうではないとしか言えないんだけど、そのへんマスメディアの病理ではあるよな。いや製作者に問題があるというよりはメディアの経営層の判断の積み重ねがそういう事態を招いたんだけどサ。というわけで、最初の2〜3話まではどうなるか?と思ったが、それ以降は社会スポーツの問題点という意味では大いに評価したい作品ではありました。人には絶対薦められないけどネ。おもろ+。