花咲くいろは 第7話

 バケツに柄杓の起こし方はさすがに展開が読めてしまったよ。
 なかなかにして魅せてくれる。巴と母の会話に始まり、巴と母の会話に終わるという仕立て。その会話の内容から巴は30前後なのかと思わせる。仕事に慣れ、ヴェテランというぐらいに成長した時に訪れる葛藤だよな。巴はヤケクソになったという前提のようだが、客相手に本当にキれるのではなく、思いっきり突き抜けたいという風にも見えた。おにぎりの件のあとにおかみさんの巴を眺めるシーンがあるんだけど、これがまた読みにくいんだわ。
 結局巴は仕事に対する安堵を見つけて続けていくわけなんだが、これ、職場の雰囲気のよさもあるわな。やっぱおかみさんのトボけた見守りというか。自分トコの職場だと、客がクレーマーなんじゃなくて、管理職がクレーマーだったりするわけで、なんともうらやましい。勘違いがもたらす結果なんて構造にはなっているけど、そして流れ的に御都合主義ではあるんだけど、なんていうかな、そういう作為が全然悪影響を及ぼしていないんだよ。
 白黒の戦争映画での巴のつぶやき、若者を使い捨てにする現代の日本とよく重なっていて感心した。まぁそんなこともあって、今回は全般的にまさに巴世代である社会人をよく意識した回だったな。