フリージング 第4話

 八甲田山かよ。
 拳で語り合うキャラ紹介その3。3年生のスゴさがあまり窺えない以上、実はイングリッドの親友マリンの死は無駄死にではなかったようだな。が、そうはいってもそうやってマリンの守った下級生が編入生のサテライザーより弱いというのは何の冗談か。まぁ旧帝国陸海軍による特攻隊は、散華した若者に慮って誰も言わないけど、上層部の目的もそうだし、実際の結果としても無駄死にだったよね。彼らを生かして戦後復興に役立てたほうがナンボかマシだったのに、上層部の失敗から目を逸らすための作戦だったわけで。
 サテライザーがカズヤのリミッター宣言を拒否したのは、巻き込みたくないがためが丸わかりでなぁ。それだけでなく、生娘のような純粋さもあって、この萌え萌え描写はなんと言いますかねぇ。
 しかし、構造的に見ると、あまり教官に思いやりがないというか、教え子をむざむざ殺させないがための厳しい訓練だの統制だのって描写でもないし、3年生が苦悩を背負っていながら、やる事は後輩イジメかよってなもんで、どうにもノれないんだよな。陰湿さが旧帝国陸海軍を想起させるし、多分韓国での徴兵制の内実もこんなもんなんだろうという気もする。いちおう泣きのツボを押さえているから、コレもありかなと思わなくもないが、ご都合主義の範疇を出ているとも思えない。話運びもリズム感も旧いなら旧いで、エッセンスの部分だけ抽出するんじゃなくって、当時の習慣や考え方まで想起させるような作りだったら、まだ救いがあるんだけどねぇ。まぁ本筋を外しているわけでもないから、見れたもんじゃないってほどでもないんだけどな。自分があんまりアクションやお色気などの外装部分に重きを置かないからちょっと物足りないと感じるだけで、総合的にみたら悪い作品でもないんだけどな。やっぱテキスト部分でちょっとコクが欲しいところ。