フリージング 第9話

 くぎみーの正統派ヒロインも悪くないな。
 というわけでいきなり敵との対戦。今まで複数敵が出現しなかったから今回もしないだろう、今までビームを撃たなかったから今回も撃たないだろうという認識はどーなの?。それでも旧帝国陸海軍のように、「きっと敵は負けてくれるように動いてくれるだろう」といった楽観的御都合主義よりは、まだ敵情分析をしているだけマシだと言えるが。
 で、キャシーの進路変更もよーわからん。これ陸士海兵でトップの成績をとった生徒が任官拒否してトンズラするってことだろ。親の都合で入学したとはいえ、軍や学校は面子を潰されるわけで、親の威光があるにせよリアリティは薄いな。が、これ、旧帝国陸海軍への当て付けかもしんないな。韓国は徴兵制を布いているが、韓国の現状に対するあてつけかも知れず、日本以上に面子を重んじる韓国出身の原作者が敢えてこういう進路フリーダムな提示をするのはなんか思うところがあるとは思うんだけどね。ちなみに東條英機は長男・次男は徴兵逃避をさせているし、三男は徴兵されても安全な後方勤務ばかりやらせてたから、原作者がそのへん知っていながらこういう構図にしたんだと思うがね。ま、進路の自由があること自体はよろしきことではあるんだが。
 うーん、しかしカズヤも迂闊だな。が、自分が高校生だったとしてカズヤのような発言はしてたかもしんない。おっさんと呼ばれる歳になった今だからこそ、自分がどうするなんて発言は控えるべきとわかるんだけどね。サテライザーとの個人的なことはあくまで二人だけに留めておくべきであって、人にチャラチャラ言うべきことでもない。ま、よく考えてみれば「おまえはどーする?」といった台詞が気安く出される作品って昨今見なくなっているワナ。9.11のとき、合衆国が「Show the Flag」と他国に踏み絵を強制したのも、あのときですら幼稚だなと思ったものだ。っつーか、サテライザーを擁護するようなことを書いているつもりもなく、彼女もまた幼稚だよなと思った次第。残り三分の一で敵と対峙ってのにも、なんかのんびりしてるよな〜とも思うし、後3話なのに痴話喧嘩やってるだけの尺があるのか?とも思ってしまう。いっそのこと敵の提示はあくまでカップルがイチャイチャするためのシチュエーション作りと割り切って仕舞いまで突っ走ってくれるとまた評価も違ってくるのだが。
 にしても正規軍弱すぎ。いくらパンドラが超能力部隊といえども、これじゃぁ旧帝国陸海軍がやってた若者主体の特別攻撃隊と変わんねぇじゃん。あ、原作者はそれも念頭に置いているだろうけどな。