国憲ワロタ。

 久々に日本国憲法を読む機会があって、ちょっと一部をつらつら考えてみたのだが、コレひでぇな。まず、第一条からして狂ってる。

第一条【天皇の地位・国民主権
    天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 日本は民主主義の国と思い込んでいる人が多いと思うが、これ読むとまんま王制じゃんかと。第一条の要旨は「天皇の地位」が省略されて、主権在民と言われることが多いんだが、これはおかしい。確かに主権は国民にあると明記されているが、その国民のすべてが天皇を国の象徴として崇め奉っているという風に書かれている。国民が進んで自分たちより天皇を高い地位につけているという表現だ。これ、天皇は主権を持った国民より偉いということだ。そりゃ王制だろ。もし主権在民が重要なのであれば、順番が逆。

天皇の地位・国民主権国民主権天皇の地位】

 とならねばならない。天皇が国民より上と考えているから、実際の順番は天皇の地位が先に来ており、しかもそれを悟られないよう「天皇の地位は国民より上」の「は国民より上」という部分が省略されている形になっている。
 本文もそう。主権在民が重要ならば、その部分が先に来るべき。そして天皇の地位が国民より上でないというならば、ちゃんとそれをこの第一条で明記すべき。象徴ではあるが、身分・権利は国民と同等だのなんだの。でも知っている人もいると思うんだが、天皇の権利は国民と較べて制限されているところもあり、そして一般国民とくらべて格段に優遇されているところもある。
 とまぁ、20年前ならガッコの先生にでも「これは国民主権を謳った素晴らしい条文なんだ」とか言われてたら素直にそうだと思ってただろうなと思うが、今見返してみると、たゞのおためごかしじゃんかというのが見えてきて面白い。今の国憲は一般に言われているのとは違ってGHQが草案を作成し、その英文を必死で日本側が自分たちに都合のよい解釈で訳したとか言われていたりするが、なんとも納得である。国憲成立当時は、軍国主義を誘発した憲法とくらべて画期的とか言われてたらしいが、コレ、文を読める人にとっては当時でも噴飯モノだったんだろうなという気がした。