ドラゴンクライシス! 第11話

 こゝでドラゴンクライシスというタイトルの説明が!、が!、が!。
 なるほど、愛し合う二人が、一緒に居られない原因を内包するって構造ね。そういうのが示されたら、確かに物語はいったん終わらざるを得んよね。
 あ゛〜、おもしろいなぁ、もうっ、って感じだ。英理子どうやら竜司争奪戦から(精神的に)脱落してなかったっぽい。もし彼女が前回自分が指摘した通り「母」ポジションであるのならば、ローズと竜司のありようを「やさしく見守る」筈なのだが、いらいらしているわけだ。しかも酒まで入っているわけで。そりゃ英理子はローズと竜司の関係を見て、心理的に急接近したのを確認したわけで、感覚的に自分が失恋したと認識したのだろう。だから、「竜司を奪われて」いらいらしていたわけだし、「失恋が決定的になったから」ヤケ酒を飲んでいたと解釈するのが*1、行間読みとしての正解に近いと思う。
 で、アイは相変わらず直球勝負なのだが、実咲がまた彼女的人生最大の勝負に出ていたのが面白かった。それがラス前の「相談して」という態度。最大の敵ローズが脱落した(と見受けられる)ため、その隙を狙って竜司を包容力で狙うワケだ。いきなりパクっ食いついたら泥棒猫になってしまうから、そこはローズを立てながらこっそり近づき、「もしよかったら」という相手に選択権を握らせてじっと待つ。惜しむらくは彼女が竜司をセックスの相手と見ていないカテゴリーに居たこと。コレ、現実社会で肉食系だったら、まよわず竜司を喰って既成事実を作っちゃうよね。で、「私がローズを忘れさせてあげる」ってなもんだ。実咲の属性が実咲最大の敵になっている。もしアイが実咲の持つ竜司との蓄積を持っていたら、そして今述べたように実咲が肉食系なら完璧に竜司は墜ちているのに、この条件の絶妙な揃わなさ。で、大抵ローズと竜司はお互いの絆を再確認しちゃうワケだ。
 で、竜司は冷静な判断力を失ってしまうのであるが、これが竜司を想う女の眼から見たら「それほど自分を想ってくれる」という状況にキュンとなるわけだし、そうなるとポジション的に失恋したと思っている英理子は、ますます二人の間にもぐりこむ余地がないことを再確認して、さらにヤケ酒をあおることになるわけだ。ローズが居ないのにローズに御執心の竜司を見ると、だいたい他の三人が脱落しているという構図が示されたと思う。で、4人の争奪戦から離れていたマルガが助力者として物語の進行を助けると。大概次回は予定通り風呂敷が畳まれるだけなんだろうけど、別に結末のパターンがわかっているわけでもなく、その辺の流れがどうなるのかを期待しつゝ、次回が楽しみであったりするんだが。

*1:リアリティがあるかどうかは全然別だが。