侵略!イカ娘 第10話

 早苗はイカ娘に好かれたいんじゃなかったのか。
 報われる想い、報われない想い三題。「イカ娘はもう家族」ってのもさらっと流されてたよな。まぁ確かにイカ娘に孤独感ってのが付帯していないから、彼女がこの言葉に何の反応も示さなかったのは確かにそうではあるんだが。前回の清美の受容もそうだったが、「本当に大切なものは、それと気付かないことが多い」って構造を示したいのだろうか。まぁそれこそがかけがえのない日常の本質ではあるんだが。
 Cパートは涙ボロボロだった。話の大枠は、スーパーマンの助っ人大活躍って何の変哲も無いオーソドックスなもの。こういう話は書き手の裁量でいくらでもピンチや大活躍を作り出せるので、どっちが勝つかなんてのはどうでもいゝ話であって、どれだけ読み手にメッセージを伝えられるかが勝負。
 まず、メムバーが足りなくて困っていた清美にイカ娘が助っ人を申し出るシーン。野球を知っていたが、イカ娘が顔を輝かせたのは決して野球をやってみたかったからではあるまい。それなら野球の話を聞いたスグに、やらせてくれとかいうはず。また、イカ娘が試合開始直後にボールではなく、グローブを投げてしまって失点してしまうシーン。あれ、イカ娘は、栄子やたけるだったら文句や言い訳の一つは言いそうなのに、素直に謝ってる。そして清美は決してイカ娘を責めないのだ(周囲の味方も決してイカ娘を非難しないのがポイント)。これ、明らかにイカ娘と清美の関係が「特別な友達」ってのを示しているよな。
 もちろん相手チームのあり方も彩りを添える。イカ娘の能力はそれ自体が反則なんだろうけど、それが面白いと闘志を湧き立たせるワケだ。いや、確かにルール違反ではないが。冷静に考えたらイカ娘の助っ人なんて公平ではないんだけど、物語の力点がどっちのチームが勝つかに置かれてないせいでとても清々しかった。
 あと2話あるんだけどね、いや、もう評価は決まったようなものかな。