刀語 第2話

 まさか、ナレーションでチェストォのツッコみが入るとは。
 えーっと、キャラ立ちについてがメインテーマ?。口癖はともかく、いかに目立つかみたいなのが必死に議論されていて、まさにメタ構造になっていたのがなんともな。
 守るべきものがあるから強い云々はどうもな。こういう言説がいろんなところでもてはやされているんだけど、自分にいわせれば言語道断な部分があって、鼻につく。守るべきものがあるということは、守るべきでない他人にはどんな酷いことをしても許されるということにもつながり、そういうのがギスギスした世の中を作ってきたと思うんだ。要するに自分、もしくは守るべき自分の周辺さえ良ければどんなことをしても許されるって概念がね。
 そういう観点からすると、守るべきものを今のところとがめしか持たないと思われる七花と、もし因幡が復興されるというのであれば刀を手離そうかという宇練では、自分にしてみれば宇練のほうが大きいものを背負っているような気がした。たゞ、宇練はとがめにその望みはないと断たれてしまったわけで、その時点で彼には守るべきものが城と刀しかないと孤立してしまったわけで、いちおうこのエピソードのテーマからすると筋の通った流れにはなっている。まぁなんのかんの言っても、とがめたちは力づくで刀を奪ったということになってしまっており、平和的解決という視点では後味の悪い顛末になってしまった。が、宇練が刀を手離して因幡藩が復興って展開もなんだかなぁで、昔話の形式としては妥当なオチになっているかなとは思う。
 七花が運に頼って勝つのではいけないと奮起するのは、この序盤からするとなかなかにして上潮的ではある。前話で姉が「あの子はあんなに弱いのに」とか言っていたのは、てっきりとがめのことかとも思っていたのだが、七花のことを言っていたのかもと思い直す。
 しかし、とがめと七花の人間関係の構築的部分が大きな見どころになっているな。とがめの翔んでしまっているところや、七花の野暮ったい部分がマッチもしており、またミスマッチもしておりと、その辺の混乱部分も含めて楽しめる。田村ゆかりの萌え萌え演技かつ滑舌の良さもやはり大きく影響していると思う。あの声を聞いていると警戒心が解きほぐされちゃうよね。