大正野球娘。 第10話

 洗うのに失敗したワンピースの替わりに、セーラー服を着せるディテール。
 一番動機が不純と思われる鏡子(いや、静も不純といえばそうなんだが、やるべきことはやってるみたいだし)の担当回。一番ビリに焦点を当て、その勢いをつけることでチーム全体の底上げを図るってのはオーソドックスな構成ながら、この合宿での成長を自然に描いていることでなんとも泣けた。自分ももうちょっと若かったら触発されたで済んでしまうところが、歳だねぇ。
 オモロイのが、他のチームメートが鏡子の動機を知っていて、それでもなお彼女の態度に腹を立てもせず、巴との仲を応援してたこと。たまちゃんのしごく発言を聞くと、鏡子が本腰を入れてなかったって事はほとんどのメムバーが知っていたってことだろ。正直鏡子に辞められると困るって点はあるにせよ、鏡子だってノルマとしての練習はそこそこやっていたわけであり、そういう彼女の居場所としてチームはうまく機能していたというワケだ。
 なんか目標達成のためには個人をトコトン犠牲にするとか搾取するとかそんなんじゃなくて、穏やかに見守り、ここぞという時に発奮させるという、人が人を支えるって構造に涙するのですよ。