ブレイブウィッチーズ 第5話

 主人公の加入が決まって早速サブキャラの紹介担当回。
 うーん、戦闘で直接戦果を挙げるだけが軍隊全体に求められるものでもないし、況や戦闘以外の貢献もそうだろうってのはまぁそうなんだけど、これ見る限り、あれだけ主人公に対する戦闘で役に立つ立たないを前回までに突き詰めていたから、今回の二人の今までの処遇はさもありなんって言ったところ。前回までの菅野の主人公への糾弾は今回の二人にも突き刺さっていたゞろうし、二人のあの態度だと日常から直接の戦果がないことに対する周囲のフォローもおそらくなかったということになる。別に戦争に限らず、例えばサッカーなんかでも点取り屋は数人の専門職であって、八割ぐらいのメムバーは防御も含めてそれを支援するものであるし、企業の営業においても営業事務がいるのが普通なのであって、もし一人で直接戦果も補助的役割も担当するとなったら全体のパフォーマンスは落ちるはず。炊事もあのおとなしめのキャラがやってたが、整備班が別に居るのなら炊事班も別に居るはずであって、なんで戦闘員にやらせんの?といったところ。本人が直接戦果がないことに対して悩みがあって、隊長はその悩みを解決する努力もしてないどころか、その悩みすら把握してなかったわけで、本来だったら炊事なんて後回しにして、まづ本人の能力に問題がないことをわからせる努力をしておくべきとか、一回でも本人をアタッカーにしたてあげ、周囲をサポートに回して戦果を挙げさせてとりあえず自信をつけさせるとかそういうことをやっとくべきなんでねぇのとは思う。が、軍隊というのは別に本人のやりがいに配慮する場でもないわけだから、それはそれまでの軍隊生活の中で本人が納得しとくべき事柄だったりする。まぁそういうことを総合的考えても、なんか隊長あたりをえらい能力が高いようにみせときながら、隊内の不安要素について特に把握しているわけでもなくよく前回まで主人公に偉そうに言ってたよなぁという印象が強い。同じ教育課程を受け共通の組織観を持った同じ軍隊の出身ならそのへん言われなくても伝わりあうってのもわかるが、各国のエースの寄せ集めなんだから、隊長はそういう共通の認識を持たないメムバーをまとめるという役割が別途与えられていると看做さゞるを得ないんで、各メムバーの特殊能力だけをどう組み合わせて戦果につなげるだけでなく、メムバー同士のすり合わせや距離の置き方に配慮すべきなんじゃねぇの?。別に軍隊なら各キャラを捨て駒と看做しても構わなく、それぞれを交換可能と考えて人格も無視したり、最低限の能力だけを基準に作戦や戦術を組み立てるというのが逆にありうべきではあるのだが、雁淵姉に対して恋々とした態度を見るあたりどう考えても個々人の特殊能力に期待してるんでしょとしか。ならばその個々人が最高のパフォーマンスを上げられるように配慮するのが管理職の役目なのであって、状況から考えてもド新人の主人公はさておくにしてもおそらく各人が特殊能力持ちで一人欠けても戦力ダウンなのだろうから、個々のメムバーを捨て駒扱いしてるとまでは言わないまでもメムバーが組織内での役割に疑問を呈しているような状態はおかしいでしょといったところ。アニメ業界はコスト面から大陸系の下請けを使ってるし、国内のアニメ制作会社も大陸系の人間を抱えていたりするんだろうけど、もしかして彼らに対して日本のやり方あり方を丁寧に説明して納得させるわけでもなく、自分の都合を押し付けてるとかないよね?とか余計なことを考えてしまう。
 武器が使えなくなったその対処としてサヴァイバル要素を入れてきたのも個人的には筋が悪いという感じで、今、企業の体力がないから雇われ人が少ないリソースをなんとかして状況を乗り越えていくべきという主張のように見えて違和感が。今や大企業は内部留保を抱えているし、ならば業務遂行のために必要なものは企業が十分に用意すべきなんじゃね?とか、中小企業でも今や人材不足といわれてるんだから、大企業の出し渋りはあるにせよ交渉次第で安請け合いしなくてもよい状況になりつゝあるんだからやはり雇われ人の努力に期待するんじゃなく業務遂行に必要なものを用意すべきなんじゃね?とは思う。現実の問題としてそれが当てはまりにくいのがむしろ公務員の世界であって、そういうところやはり公務員であるはずの軍隊にはあてはまるんだけど、なんつーか、最初の提示で前期描写されていた501部隊がネウロイ殲滅の立役者になったということらしいから、この502に予算が配分されてないとか何の冗談なの?と思うしかない。しかも同じウィッチでありながらネウロイ殲滅のための情報を上層部から遮断されているだけでなく、501からも情報提供がないとか、えー?といったところ。理系でも文系でも最先端の研究は、そりゃ根幹の部分は秘匿するにせよ、誰が何やってるかは誰もが興味があって常に交流してある程度の情報交換はしてるし、ましてやこの作品だと人類共通の危機に対して協力し合ってるという設定なんでしょ。こんなことをやったらこんな効果があったとかぐらいの情報交換は各国のメムバーでは友人関係にあったウィッチ同士で情報交換をやってたと見るべきだし、どう考えても無理があるとしか。もしかして観戦武官お断り?。それでよく各国が協力してるといえるなとしか。
 結局のところお食事お掃除と、キャラに家事要素を背負わせて人気を得るつもりなのであって、要するにそれってマチズモとかミソジニーを利用してるだけだよね?と思うしかない。いや、この作品は対ネウロイ作戦という意味では日本の厳しい現状を表しているのであって、それに対して経営者でもない層がどう対処すべきなの?というのを示しているのだとしたら、男女性差なんて無視して厳しい職場環境なり、雇われ人がどう社会をわたりあっていくかを考えさせるものだと思っていたので、もちろんフェミニズムも不必要だし過剰な人格尊重も要らないんだけど、今更根源に差別感のある要素で人気取りですか〜という感じ。今回の話だと女は家事もやるのが当然で、しかも業務に必要なものは組織に期待するんじゃなくて個人の創意工夫で用意して、その上成果を上げて自分の承認欲求を勝手に満たしなさいって構造になっているので、もう嘆息しかない。別にこの作品のキャラが女性になっているからといって彼女たちが現実の女性(社員)のメタファーと考える必要もないのだが、仮に彼女達を現実社会の企業内の報われないというか虐げられている男性社員と看做したとしても、これは上層部の身勝手さを示しているようにしか見えないので、やっぱ筋が悪いとしか。まさかこれがそういう問題を表していてこれらは解消されるべきという主張なのだということはないよね?。どう考えてもそうは見えないもの。
 いやまぁこの作品を見るようなのはそもそもそこまで考えておらず、女性要素を強めれば喜んで支持する豚なんだから単にターゲット層に合わせた描写にしたんだそうでなくて厳しい現実だけを素材に描いたら続きを見てもらえないでしょといわれたらあ〜そうですよねとしか言えないんだが。