機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第25話「再生」

I. graeberiana Yellow Fall

 なんか無難にまとめたな。
 個人的にはヘタレなアレルヤに見せ場があってよかったねといったところか。連邦会議の拍手は単調だったが、さすがに作画ががんばっていた。
 イノベーターは社会のシステムを途中から乗っ取って、人を見下し、世界を混乱の渦に巻き込むってところからユダヤなのはほぼ間違いないんだろうけど、リボンズが最後麻生化していてワロタ。スタッフにはそういうつもりは無いんだろうと思いたいんだけど。貧乏姫にも光の当たる場があって困惑したが、さすがに歌で世界を変えるとかじゃなくて安心。
 連邦も大いに加担していたのだが、アロウズが情報の隠蔽を行っており、そして月の裏側で最終決戦が行われていたとの舞台設定からすると、戦いは基本庶民から見えないところで行われているという形をとっていたわな。小沢が別に善の側だとも思わないんだが、検察による嫌がらせなどを鑑みると、基本庶民に隠れて行われている権力側の暴力装置による悪事は、日常から気に留めていないと気付かないし、その先にある"自分で考えて行動すること"も早い段階から遮断行為にさらされているって結論は納得といえば納得。
 さて、全体を振り返ってみると、結論主体に考えてみるとセカンドシーズンはグダグダといった印象は未だに拭えない。コーナー一族が近代黎明期の貴族であり、リボンズが教義を一にしてその貴族に成り代わっていったユダヤであるってメタファーを考えると、確かに歴史に則っているし、そうであるならばユダヤによって数々の世界的な悲劇が巻き起こされてきた時間の長いことを考えると、ユダヤ跋扈の時間を長く取るのは理屈で言えばわかる。が、ドラマとしても今一、でドラマはステージであって背景を考えさせるにしても、そうそうメッセージを伝えきれたとも思えない。正直セカンドシーズンは1クールで足る内容だろう。
 そして、あんまり評価すべき点でもないとは思うんだが、キャラの生き死にのバランス、腐女子向けを意識した作りはかなり練りこまれていると感じた。仮にロボットアニメということで、男の子向けにしてしまってもうざったいだけで、かといって社会派を気取っても視聴者にそっぽを向かれてしまうだろう。いまやガンダムブランドと言えばバンダイにとってドル箱中のドル箱であり、ターゲット層決め撃ちで商売という段階を越えており、いかに大量の視聴者を獲得するかに重点が置かれているんだろう。そういう目的からすると、シリーズ構成は良くがんばったとは思う。ただし、自分なんかは突き抜け感が足りないと感じた。仮に自分が人の親として、子供の背中越しにこの作品を視聴するという立場だったとして、サラリーマンや社会への悲哀に共感を感じさせてくれるものではちょっとないかなという感じだ。沙慈のエピローグは自分的には蛇足かな。
 そういったところで、全体的に見たクォリティは高いのだが、評価としては難しい。第1期だとまぁおもろ+だが、第2期まで通してみたところギリギリおもろぐらいにしか感じられなかった。CMで全シリーズ通してのOP・EDアルバム発売の宣伝があったが、音楽としてはかなりがんばっているようには感じた。動画といい、金をかけただけのことはあったんではないでしょうか。