アタックNo.1 第57話 裏切りのコート

 いやぁ、ネンネといっても、そんなことやあんなこと自体は何かわかっているのね。
 脅迫の内容が本郷のスキャンダルとか、なんなんだろ?。そんなに本郷とか信用無いのかね?。いや、脅迫がいかにもという形でなんともな。
 しかし、こずえはともかく、みどりも大沼も動揺していたということは、本郷の男の部分とコーチの部分を切り離して考えてはいなかったわけね。自分が高校生の頃は確かに今ほど未成年の性行為に寛容ではなくって、清い男女交際が言われていたんだけど、それよりもう十数年前の話だから、やっぱり男女の中の分別にはうるさかった時代なんだろうとは思う。でも本郷自身はバレーのために男断ちをしろだの、生活習慣をきちんとしろなんていってなかったと思うんで、生徒自身には「コーチだけいい思いをしやがって」という気持ちは無いという気がする。
 やっぱ女子の指導とか、指導者が男だと恋愛関連で難しいのかね?。もちろん部員が本郷にホの字というわけではないんだろうけど、こずえ・みどり・大沼の三人の目は刺すようで…と言っていたからには、やっぱり裏切られたと女どもは思っていたのだろう。昔だったら現像→プリントで、何日かかゝっていた*1と思うんだけど、そこらへんに頭がまわる前に、目に入った情報だけであっさり信用とか、どれだけバカなんだと。恋愛とまではいわなくても、本郷モテモテ?。
 ナカや石松に託そうとする台詞があったけど、最後の最後に、まさに自分の存立基盤である努のことに思いを巡らすことで立ち直るというのは自然な流れであった。リュウジ<本郷<努なわけね。なんかバレー本体に対する思い入れが足りない気がするが、まぁ今はこずえの精神性にスポットライトが当たっているから、これでいいのだろう。
 しかし、努の幻影にふりまわされているからこそ、同じ努の面影を持つリュウジに悪人を演じさせて、見かけと本質の分離を図るってのは、なんか安直なような気がしないでもないのだが。別にリュウジが努と似ていなくても呼び出しに応じていただろうし、そもそも面影が似た*2人が登場しないとケリをつけられないというのもおかしな話で。

*1:前日の真夜中に撮影したと言っていたし…フィルム感度も相当なもんだと思うが。増感処理にこれまた余計に時間がかゝるはずだが、さすがにそこまで写真に詳しくは無いだろう

*2:確かに努に似ているほどこずえの感情の揺さぶり具合を大きくすることができるが、そんな確率的にほとんどありえない特殊例をわざわざ引き合いに出さなくても十分に話作りはできると思うんだが…。やっぱ少女漫画だとメロドラマにしないとだめなんかね?。