タイムボカンシリーズ ヤッターマン 第68話 雪の女王だコロン

 雪の女王ゲルダとケイの男女の名前を逆転させて、カイとギルにしたのがドルアーガの塔?。
 今、ググってあらすじを確認したんだけど、アンデルセンは女が男を助けに行く話なのね。しかも、雪の女王が町の人の心を…という設定は原作には無いっぽい。
 富山敬のラストに気合が感じられたとおり、ゲストエピソードにも力が入っていた。アンデルセンといえばデンマーク、北欧だ。ご存知の通り、あまり北欧は穀物を作るのに適した土地とは思われない。だからこそデンマークでは酪農が発達したと思うんだが、そうであるからこそ、厳しい冬は、致命的な収穫不足に繋がる。何年も冷夏が続くと、そりゃモノ不足にもなるわな。しかも厳冬でもあるとすると、ただでさえ食うものが無い上に、今回のように冬越しの物資が無いとなると、当然冬の厳しさに死ぬ人も続出だろう。こういうことが昔は結構あったに違いない。で、この話はかなりアレンジが入っていると思うのだが、そこで、先ほども述べたとおりの、少ない物資をめぐっての醜い争いが起こったとしても不思議は無い。そういう状態を町の人の心が…と繋げたのなら、なんとも深い話になっている。で、この部分はざっとネットを見渡すと原作にはないっぽいので、脚本家の体験とか調査によるものなのかね?。もしかすると原作にはこういう部分もあるのかもしれないが、大体ゲルダの愛が大意となっているような感じがするのだが、どうだろう?。もしかして脚本は東北の凶作を知る人なんかね?。
 さすがに解決の部分は涙で溶かすという、月並みといっては月並みなものに抑えられていた。雪の女王も溶けてみれば改心した人間が現れるのかとも予想してみたのだが、城ごとなくなったので、やはり厳冬という季節変動のメタファーという可能性が強い。1970年代とか、地球寒冷化とか言われていた時代らしいので、なんとも感心する話だ。今、地球温暖化といって騒いでいるが、やはり、日本ぐらいだと少雨のデメリットはあるが、農業的には温暖化の方がよっぽどありがたいのだが、環境ゴロはそれをわかっていっているんだろうな?。
 しかし、なんというか、物資が不足すると言えば、弱小国を恐喝するのに経済封鎖するアメリカや欧州の姿だ。昔は天災で仕方なく我慢するしかないという状況のほうが多かったと思うのだが、今や、物資不足で相手国の人心を乱れさせ、屈服させるという人為的なモノが多用されている。なんつーか、技術が発達して世界が豊かになるのか?と言われれば、全然違うよな。やっぱユダヤにおもちゃを渡すのは間違いなんだろう。
 なにで読んだのかは忘れたというか、たぶん某巨大掲示板だったと思うのだが、技術の発達というものは、そもそも西洋文化的なモノか?という議論がなされていた。まず、紀元数百年ぐらいの技術先進国はどこか?と言われると、それは間違いなく中国だったという驚くような主張があり、あぁそうかもとは思ったのだが、そもそも西洋技術が優れていたのはいつが源流か?という話があって、結論としてはギリシャ文化なんじゃね?というところで落ち着いていた。キリスト的世界観では、実は技術はむしろ発展しない方向になるらしい。たしかに聖書には倫理は説かれていても、技術振興で組織の発展なんて一つも書かれていない。キリストの奇跡を正当化するために、むしろ技術の発展は邪魔だったというわけだ。たしかにフスを火刑に処し、ガリレオを宗教裁判にかけ、医術の心得のある民間人を魔女として排除し、未だに進化論を真面目に否定する団体がいるという狂信集団がキリスト教信者だったりするのだから、確かに納得である。
 で、西洋で科学技術の発達が起こるのが、イタリアのルネッサンスかららしいのだが、その原因が東ローマ帝国滅亡による、ギリシャの学者がローマ帝国繋がりでキリスト教を頼ってイタリアに流れてきたからだという研究があるらしい。…なるほどである。イタリアにルネッサンスが巻き起こる前までは、アラブというかイスラム圏が科学技術先進国だったわけだが、イスラムは宗教に寛容で、それまで東ローマ帝国から盛んに技術を導入していたらしい。すなわち、中国での隆盛を除けば、ヨーロッパから中東における科学技術の隆盛における源流はすべてギリシャの科学だというのだ。
 で、ユダヤも20世紀初め頃から科学者を輩出していくのだが、そもそもキツい弾圧があったにせよ、金融だの流通だのを押さえて政治的力を行使してのし上がってきたわけだ。金で技術を買い、また人を金で買って技術を開発させ、武器を作らせて戦争当事国同士に同時に売りつけて死の商人として権力を増してきたのが彼らだ。さすがに戦争を仕掛けるというのがあからさまになるわけにもいかないと隠れてこそこそ仕掛けているみたいだが、フランスやドイツなどの特にカトリック圏で強い弾圧を受けてはいても、イスラム圏内では比較的寛容に暮らさせてもらったくせに、今、ユダヤイスラムの土地を強奪し、彼らが言うことを聞かないと大国を使って経済制裁という弾圧をしかける。イスラムが反発すれば、先端兵器でボコボコにやられるだけなんで、ほんと科学技術が人を幸福にしているとはとても思われない。日本だって砲艦外交で脅されて開国させられ、欧米に有利な条件で条約を結ばされている。人を人とも思わず、自分の私服を肥やす欲深な人間にいいように利用されて世界全体では不幸になっている。これを人災といわずして何と言おう?。
 というわけで、技術という関係の無いところに話が飛んでしまったが、天災にすら人の心は冷え込まされるというのに、現代の科学技術の使われようはなんだろうな?という疑問に思いを巡らされた。これだけ技術が発達すれば、天候を左右できなくとも(実際にはある程度のコントロールが可能だったりするのだが)、それに対する備えは十分できる段階に入っているというのにだ。つくづく人間の業を考えさせられる。
 長くなったついでにもう一つ。今回は下に着けてるレオタードが見えてしまうほどにアイちゃんの露出が激しかった。しかも狙ったように寒い環境でだ。なんつーか、つなぎの下には裸に近い生身の体があるだけという設定は前にも述べたが、なかなかにソソるものがある。程度は違うが、裸エプロンのようなエロだ。しかも、アイちゃん自身は自分がみだらな格好をしているとは全然意図していない…この寒い中、襟元を大きく開けるのはむしろ元気さを象徴してかっこよいとすら思っていると、アイちゃんは勘違いしている…という天然さが、また堪らないんだよね。冬の時期のこの描写、絶対スタッフは狙ってやっていると思うんだけど。ドロンボーの猥談はあからさまなエロ、ヤッターマンの色気は正義を前面に押し出していかなくてはならないがゆえの隠微なエロだよな。まぁこれだけ最近のアニメがやたら作画にこだわって、クォリティの高いキャラ画像が氾濫しているというのに、昔のこの程度の作画に興奮できてしまうんだから我ながら安いよなぁ。