とある魔術の禁書目録Ⅱ 第21話

 今回はいうほどはっちゃけてなかったな。
 しかし、御坂の便利屋扱いには泣かされるものがある。「お前だけが頼り」→「今、本妻に変わる」…。そりゃ当麻、土御門とか青髪とかに殴られて当然だよ。
 なんか何が起きているのかよくワカランな。天使とか唐突過ぎる。ローマ正教側はキリスト教成立以前の術を使っているらしいし、学園都市は科学で宗教を構築しているらしい。いや、キリスト教ってのは、そもそもが旧い契約(即ちold testament)の否定から入っているので、ユダヤはともかく、ギリシャ時代の哲学…すなわち科学ともいえるが…という矛盾を抱えており、学園都市はいわずもがな。が、学園都市側にしたって、「科学万能主義という宗教」という要素も抱えており、互いに異なると思われる二つのものゝ融合というかごった煮というのが双方から提示されていて面白い。結局西洋はルネサンス期にギリシャ美術もしくは哲学などをイスラム経由で再輸入し、それが西洋近代、すなわち科学をもたらすことになるわけだし、科学が万能と思われた二十世紀を抜け、今物質文明の反省が行われている時期にあたる。作品中では言葉遊びになってしまっているが、劇中に反映されていなくとも、言葉からいろいろ連想させられるものがあって面白いといえば面白い。
 で、結局ローマ正教側も学園都市側もそれぞれの面子や保身のために個人を使い捨てにするという構造がどちらにも見られてあぁ…だよ。世界を破滅に導こうとするのが組織の上層部で、破滅から守ろうとするのが現場ってのがね、これまたなんだかなぁという構図で。こればっかりはわりと身近にたくさんあることなんだろうなと。震災の対応一つ見たってさぁ。