アタックNo.1 第44話 強敵・スパイク・マシン

 あっという間に悪党退場。
 が、悪玉のボスは早々に次回復活らしい。しかし、顧問もあれだな、さすがに本郷・猪野熊にはかなわないが、ダメ部員が辞めるための地歩固めはやっていたっぽいな。なんつーか、ダメな組織にはこの例ではないが、やはり原因となるダメ組織員がいて、いわゆる「働き者のバカ」だったりするんだが、そいつが静かにするなりいなくならないと良くならないというのを身に沁みて感じる。なんだっけ?WWⅠだかⅡだかのドイツの参謀あたりが言っていたらしいが。

  • 働き者で賢いやつ
  • 怠け者で賢いやつ
  • 働き者でバカ
  • 怠け者でバカ

 の4タイプがいて、組織にとって一番害があるのが働き者でバカなタイプが周囲を振り回す場合だ。怠け者でバカなのは、ほっとけば済む話らしい。意外なようだが、この中で一番組織にとって有益なのは怠け者で賢いやつらしい。働き者で賢いやつが指導者であった場合、それなりに成果は挙げるものゝ、部下に余裕が無くなり、しんどい思いをして組織全体がギスギスしてしまうとのこと。怠け者で賢いのは、さすがに全然働かない場合はアレだが、うまく部下に裁量を与えて暴走をさせないため、部下はしんどい思いをせずに知らず知らずのうちに仕事をしてしまうので、一番成果も挙げやすいというわけだ。
 難しいのだが、戦争でも働き者で賢いやつが工夫をしてしまうと、戦況がエスカレートしてしまい、味方の戦果も確かに上がるのだが、被害も甚大になってしまうというパラドックスが発生する。WWⅡのイタリアをバカにする向きもたくさんいるのだろうが、よくよく考えてみるとドイツは成長も早かったが、滅亡時の被害が洒落にならないほど甚大だった。今ですらユダヤに付けねらわれる始末。イタリアは確かに戦果はあげなかったかもしれないが、相手を全力で叩かなかった代わりに、仕返しもされなかったというか。いつの間にか敗戦国待遇では無くなっていたし。イタリアとしてはドイツの都合で戦争につき合わされるのは堪らないからはなっからテキトーに付き合っていたんだろう。「ドイツの陸上兵力が200万?なら600万用意しときゃ負けないだろ」というのがアメリカの戦略だったし、そういう情報がイタリアにもたらされていたんだろうな。マフィア経由かヴァチカン経由かわかんないけど。まぁ大沼も例に違わず「働き者のバカ」だという描写にはなっている。
 指導者の問題も重要だ。管理職が「働き者のバカ」が周囲を振り回していることを認識していようといまいと、うまく処理できていないと、やっぱりこの富士見学園高校バレー部のようになるのもわかりすぎるほどわかる。暴走して周囲に被害を与えているのに、それもまた持ち味なんて、本人は懐が広いことを示したつもりが、被害を蒙っている当事者にとっては状況悪化を助長しているとしか思えないことを平気で吐く。この場合、顧問自身に問題意識があって、きっかけを見つけて何とかしようと思っていて、実際にチャンスを待っていたわけで、まぁ物語上よかったねと言うしかないのではあるが、やはり初めっからこういう問題が起きないような組織作りをしておかなくちゃ管理職の意味が無い。本郷に出来て彼女に出来ないというのは、まぁ言い訳できないとこであろう。今の時代ならともかく、まだ教師の権威が存在していた昔だろ?。
 というわけで、早々と問題が解決したわけなんだが、やっぱり視聴者にストレスを与える時間は短いほうがいいという判断なんだろうか?。「おしん」がもっといびられる描写が多くて、それに耐える姿が視聴者の胸を打ったらしいが。でも「おしん」の場合、奉公先の大奥様あたりは、歳とって視聴すると、あまり理不尽さを感じなかったりするんだよな。奉公人のおしんに学校へ行かせたりしていたしな。甘やかしはしないんだが、苦労もさせ、勉強もさせで、ちゃんと人間教育をしていますよ…というのが大人の目で見ればわかるんだが、リアルタイムで視聴していたときはまだ大人ではなかったんで、たぶんおしんかわいそうで終わっていたのだろう。ま、前回も述べたとおり、ちゃんと悪玉・善玉の区別はわかるようにつけてあるので、とっとと処理してしまうのが吉ではあるんだろうとは思う。