機神大戦ギガンティック・フォーミュラ 第26話「終極」

 ギリシャ代表、無念。
 メッセージは見ればわかる程度のもんなんで、特に述べることもないですかね。終わってみればオーソドックスな結論・流れで、共鳴感応システムという覗き見を利用したことが目新しいぐらいか。ロボットアニメを期待していた層には、戦いのシーンが少ないだけでなく、躍動感溢れる描写でもなかったことから不満タラタラのようですが、自分はロボットというギミック自体がどうでもいいので、特に問題ではありませんでした。
 全体的にも落ち着いた展開で、割と描写にスタッフの意図がしっかりと載せられているような気はした。すべてに意味があるとまではいかないんだろうけど、基本対話重視、むしろ権力をカサに着てという態度の明確な否定はまさに大人向きという感じはする。視聴後感としてはせきたてられるような感動ではなく、というか感動というより共感という言葉がピッタリな印象。
 なんかいろんなところでこの作品の不人気っぷりが語られていたんですが、どちらかというと視聴者を選ぶ作品なんだと思います。キャラの造形ががらっと変わるのも、今となって考えてみれば監督がむしろ作画にオリジナリティを出せという指示を出していたのかもしれないとまで思ってしまいます。音楽は自分的にはもうちょっとがんばって欲しいところでした。戦いの躍動感とこの作品のテーマに沿った落ち着きを両立させるのは、よくよく考えるとしんどいとは思うんですが。たぶんしっとり系ということで栗の子起用だと思うのですが、ダメとまではいわないけども、もうちょっと芯の強いアーティストのほうが良かったと思う。なんだかんだいって部分部分のレヴェルは高いと思っているので、これは自分の好みの問題だとは思いますが。
 で、稚拙なところがなかったとも言わないんだけど、全体を見渡してみても特にけなす要素がみつかるわけでもなし、おもろ+ということで。人間関係でギスギスした経験が長いと、こういう作品はホントほっとするよ。神にならんとする人間が多いと、たしかに慎吾の言う通り神は要らない*1という結論になりますわな。

*1:「神は死んだ」ではないが、ギガンティック搭乗者がほとんどニーチェの言う超人もしくはオルテガの言う貴族になっていたか、もしくは戦いでそうなるよう成長していたのは面白い。