程陽

 ようやっとネットができる環境にたどり着いたのだが、結局日本語環境にすることができず、足跡だけになった。まぁその辺の詳細も後ということで。
 平安の龍脊梯田を朝早く出ることにする。バスの便は7:40ということで、7:00ごろには旅館を出るつもりだったが、客が来ないせいかゆっくりしていて、チェックアウトに時間がかかった。朝飯は我慢だ。
 バス停に行くと昨日の娘さんがまた車掌でいた。どうも向こうもそれとわかったらしく、微笑み返してはくれたが、それだけ。バスの運転手も昨日と同じ。2台で龍勝と平安を同時運行しているっぽい。バスをとても大切に扱っている様子が伺える。中国のバスは結構運転も荒っぽいし、客も雑に扱うんで汚いのが多いんだよね。
 龍勝に着くと三江行きのバスに乗り換える。地球の歩き方でも、この路線は工事中で時間がかゝるとのことだったが、やっぱりそうだった。工事の進捗状況もあんまりといった感じで、コンクリートをうっているところと、凸凹道との境で大きく揺れる。来年当たりは工事が完成するらしいので快適になるだろうが、通行量が多くなるというのも考え物かもしれない。
 実は結構バスの移動中も寝てしまうことが多いのだが、これはある意味もったいない。歩かずに周囲の風景を観察できるよい機会でもあるわけで、棚田なんかは実は桂林から龍勝へのバスの中でも見れていたようだ。でもほとんど寝てた。
 三江から、これまたというか今回の旅行の主目的である程陽風雨橋行き(林渓行き)のバスに乗る。途中“国家貧困地区義務教育なんたら(以下は木の陰で見えなかった)”という標語が小学校と思われる建物に書かれてあり、これまた貧乏な地区なんだなと思いながら複雑な思いを乗せてバスは進んでいった。
 昼ごろには着いたかな。とりあえずバスから降りて風景区の入り口にある検票所でRMB30を払い、風雨橋を渡って村の中に入る。いくつか旅館があるのですこし村の中を散策して宿を決める。インターネットができるという看板があったのでそこに決めた。
 そこはめずらしく身分証の提示がいらないところで、一晩RMB30ということだった。部屋も見せてもらったし、雰囲気がどうも中国のあり方と違っていたので少々面食らった。
 コンピュータがあり、一時間RMB5でインターネットができるという張り紙があったので早速頼んでみる。で宿の服務員が電源を入れるのだが(電話も)つながらない。いったい今までどうやっていたのか不思議だ。とそうこうしているうちに若い男の人が来て、いろいろ試してみていた。私自身が気がついて様子を見てみると、やはりスプリッタのところまでの線が切れていた。そこをつなぎなおして電話はつながったのだが、結局インターネットにはつなぐことができず、断念することに。昼飯を食っていると、先ほどの若いにーちゃんが挨拶するではないですか。どうやらこの旅館の店員ではなく、旅行者だったっぽい。
 部屋の中でちょっとゆっくりして、村の中を見回る。8つの村があるらしいが、そのときはわからなくて、とりあえず川沿いにさかのぼっていった。途中村の風景をデジカメでとりまくった。機会があったら中国の田舎を舞台にしたエロゲADVゲームを作れるようにだ。いやいや。
 というか、今回はデジカメでいろいろ撮影をしまくっている。いつもの私なら、荷物がかさばるのを厭い、また、画像撮影ではなく、実際に自分の目で見たり体験するのが旅行の醍醐味だと思っているので、極力画像の撮影はしないはずだったのだが、今回は主義を曲げた。でもやっぱり画像撮影が目的になってしまって、旅でのコミュニケーションがおろそかになっているとはさすがに 思う。
 旅館自体にはあまり民族特有の料理がなさそうだったので、いろいろ歩いて夕食をとる場所を探す。検票所の近くにそれっぽい店があったので入って注文する。油茶と酸鴨を注文。あと米の酒を頼むが、安いのは無く、結構高めの重陽酒というのを頼む。
 油茶は米を油で揚げたもの(ポンポン菓子のように膨れている)に茶というよりは出し汁を入れて飲むものだ。出し汁は大きな碗で出てきて、一人前の碗に蓮華二杯分の揚げ米を入れたものの中に注ぐようだ。客は私一人だったが、本来は大きな碗からその場にいる全員に注ぐものであるらしい。なんだか玄米茶のような感じがした。
 酸鴨は、食材の種類によって酸魚や酸肉がある。味付けは唐辛子系の辛めのものに、名前の酸味に思いっきり生姜を使っているのが特徴だ。店員がご飯を進めてきたのも納得のきつめの味付けだ。からしにせよ生姜にせよ、たぶん持ちの悪い肉類の殺菌なども兼ねているんだろう。
 重陽酒は紹興酒に蜂蜜を混ぜたような味で、こくがあって美味しかった。後にも残らないようだが、どういう酒なんだろう?。まさか自分の印象どおり紹興酒に蜂蜜を混ぜただけってことはないだろうな?。
 で、食事を終えて旅館に帰り、土産物売りがいなくなって人気の無い程陽風雨橋をデジカメで撮影し、また旅館に戻ると他の宿泊客がインターネットを使っている。どうやって使えるようにしたのか不思議だが、とりあえず使い終わるのを待ち、表記の時間に更新したもの。このときにどうやら民主党参議院戦に勝ったらしいというのを確認した。やっぱり自民党はわざと負けたんだろうかね?。