BLACK LAGOON The Second Barrage 第23話 Snow White's Payback

 追い詰められたキャラが歌い踊る回。
 「実存主義とは何か」はあんなにページ数が多かったように思わないんだが。結構平易な文体だったような気がした。自分が読んだのはソフトカバーの奴だったんですが。ん、なんつーか雪緒が観念論から実存主義に至る過程が哲学の進展してきたレールをなぞっているのがなるほどなんですよ。ただ仁義地に墜ちたりと言っても、むしろ他の組のほうが秩序を失い欲にまみれて哲学が死んでしまった現代にはるかに適応しているってのが救われないな。まさか銀次に雪緒のことを嬢ちゃんと呼ばせているのは揶揄みたいなもんがあるとも思われないんだが。そりゃ世間知らずなのは視聴者にとっては重々承知のことだと思うんだが。
 まぁドイツ観念論のほうこそ自分は読んでいないのでなんとも不勉強なことだが、ロックが言う通りこの世は表と裏とに分かれておりという論説というのも単純すぎるお話ではある。センチメンタルに表の世界からの訣別みたいな描写があったが、表と裏は不可分に結びついているもんなんじゃないのかな。バラライカ姐さんにたしなめられてはいたが、レヴィがロックのことをかばい、また心の奥底では明るい世界を切望している描写にはグっとキましたよ。