BLACK LAGOON The Second Barrage 第24話 The Gunslingers

 うーん、結局日本編はエダの一言に象徴されるんだろうな。
 多分こういう感じは日本でしか成立しないんだろうが、なんだかんだいってロックはレヴィにとっての王子様なんだろうな。こういう論に落とし込むのは好きではないんだが、質の良いツンデレといったらわかっていただけるだろうか。いわゆる「ツンデレ」と標榜する数多の萌えアニメはキャラ同士が近すぎるのに対し、これは適度な距離感を保っている気がする。そこらへん大人というあり方なんだろう。
 日本編のはじめ2話ぐらいはロックが雪緒に惹かれるのか?と思っていたのだが、単純なお人よし…いや違うな。人間としてのあり方を託しているってほうが近いのか?、ま、それはともかくレヴィは嫉妬するわけでもなく、ロックに対する暖かさがなんとも心地よかった。ロックも大概朴念仁のように見えるが、別にレヴィに対してロマンティックとか反対に情欲的なな恋愛感情を抱くわけでもなく、そう、いわば戦友みたいな感じなんだろう。レヴィのロックに対する感情は「いいたくねぇ」の一言で大わかりなわけで、そこらへん雪緒なんかよりはよっぽど少女的なわけだ。
 今話に関していえば、銀次とレヴィの立ち回りが(雪緒とロックの会話を引き立たせるために)ちょっとくどかったぐらいかな。あと刀を突き立てるのに自分の体重をかけなきゃな。脊髄を貫いたら一瞬で死ねるんだろうが、立ったままで脊髄貫通は無理かと。画的にはどちらも引き立ったのだが、そこまでやらんでもと思わんでもない。悪党になりきれなかった雪緒と悪党であることを受け入れているレヴィは好対照ではありますな。そこらへん人間の生存に必要なものを哲学の何が与えてくれるのかについてダッチが判定を下してくれたわけなんだが。
 全体的に振り返ってみると、なかなか楽しませてくれた作品でした。退屈な日常からの脱出という点にどうしてもとらわれて、この作品に飲み込まれることが多かったんだけど、キャラに主張をさせてくる割にはちゃんと対立視点も用意されていて決して単純ではないところもポイントが高いと感じた。そこらへん原作によるもんなのかな。絵もきれいだし動くし。OP、EDが変わらなかったのも私にとっては良かった。最終回としては、もう次はないよという終わり方のように思ったが、原作が溜まれば次もぜひ視聴したい。とにかくスタッフはお疲れ様でした。名作をつけたいんだが、冷静に考えたら人を選ぶ作品ではあるよな。おもろ+。