怪獣8号#11

 主人公が本部に連れていかれて、長官と戦うことになる話。なんかもうゲンナリ。今まで怪獣を生け捕りにできたこともないだろうとは思うんだけども、そんなに怪獣が危険な存在だったのなら早くぶち殺して解剖でもして研究するのがまっとうなやり方だと思うんだけども、結局主人公が人間であることに甘えてるよね…。まぁ主人公が主役なのでここで殺されましたチャンチャン…というわけにはいかないのだろうけど。
 しかしまぁ、主人公に取りついた怪獣要素、それがなければ主人公は超人的な力を発揮することができないんで、怪獣化のおかげで隊員に採用もされ、いや、怪獣要素がなければ何の価値もないんじゃね?というのがツラいところ。

ヨルクラ#12

 宮下パークで動画生配信でそれなりの成功を収める話。宮下パークでズッコケ。あそこって、犬と中国人立ち入るべからずのパブリックガーデンのように、ホームレス排除のゲーテッドシティが宮下パークなのであって、あそこでライブをするのも観客も、要するに世界中からの搾取だけでなく、日本人の中でも経済的弱者を差別することによって享楽的に過ごせる場所なので、よく舞台としてあそこを選んだよな…という驚き。しかもあの動画配信を楽しんでる層は、生身のアーティストを大枚払って見に行くようなそうではないわけで、日々の仕事に対する鬱屈を、あの動画を見て癒されるだの救われるとか言ってるのは、それで不満を解消してもらって明日からの奴隷労働に送り出す役割を果たしてる…ってことなので、マクロで見たらもう全然イイ話でもなんでもないという。
 実は最近知ったのだけども、この作品のシリーズ構成・脚本は弱キャラ友崎の原作者ということらしくて、あーといった感じ。友崎は自分がリア充になるために他者を踏み台にしており、本人にその自覚がない…という構造をしてるのだけども、なんつーか、どちらの作品も社会的には日陰者扱いなキャラクターが成功する成り上がりストーリーなのであって、特に今回の話は流行の要素をふんだんに取り入れ、「何物かになりたい」若者が、お望み通り何者かになった瞬間なのであって、外面的にはサクセスストーリーになってるわけだけど、どうにも素直に感動できないというか。でもこの作品を視聴してる若者の大半はどうせ肯定的に受け取っちゃってるんでしょと思うとなんとも複雑な気分だよな…。

龍族#15

 主人公が一緒に潜水して死んだ…というか死にかけで本当には死んではいないらしいヒロインを助けることができる…という話。今まで淡々と状況が変わっていってたのに、いきなり今回で主人公の精神性の話に…。いろいろツッコみどころはあるんだけど、責任も覚悟もある大人の話ではなくて、精神的に未熟な若者の話なんで、あーあちらの若者のメンタリティってこんなものなのかな…とぼんやり考えながら見てた。主人公は今まで三枚目的な立ち回りだったし、ここから大人への脱皮を徐々にしてくるのかねぇ。

ファブル#12

 後始末を残しながらもいちおうヒロインの救出には成功。殺し屋といっても殺しを制限されてるし、なんか他のエンタメと違って地味なバトルシーンが妙に迫真だったのと、ヒロインが助けられるばかりでパニック状態で震えるばかりなのも、あーあれおそらく自分が同じ目に遭っても同じような状況になるんだろうなという妙なリアリティがあってなんかそのへんも迫るものがあった。

ささ恋#9

 ヒロインが対立するバンドの仲たがいを何とかしようとして逆に火に油を注ぐ結果になる話。相手のバンド、なんといってもあのぼんやりとした調理部の部長がそれなりのテクを持ったメンバーだってのが笑えるよな…。あんまりエピソードとしてのリアリティはないのだけども、やらかしとそれに対する反応自体はそれっぽいので、なんか退屈せずに見てる。


となりの妖怪#12

 時空の裂け目から悪魔が襲来しててんやわんやに…。うーん、ますます謎。いろいろわからない点があって、妖怪には悪魔を撃退する力はあっても人間にはないということのようなので、やはり妖怪は本当は人間なのだけども、普通の人ではない外国人だとか少数民族的な何かみたいな話ではないっぽい。
 なぜか惑星のさみだれを思い出してしまったのだけども、アレは不安定な思春期で混乱してる少女が、少年と恋愛することによってメンタルが安定するってボーイミーツガール的なお話だったと今となっては思うのだけども、だからこそあの世界はあくまで「少女の見た世界」であって、他者の世界との共通点は極めて希薄。なので、構造的には難病になって世界に絶望した少女が自暴自棄に自殺(すなわち彼女にとって世界が終わること)する―と騒いでるのとそう変わらんわけで…。
 ところが、この作品の場合世界の効きというのはだれか一人の精神世界ではなく、あの世界に住んでる人たちが共有する世界そのものという可能性が非常に高く、それはすなわち全人類と危機といって差し支えないので、惑星のさみだれとは全然構造が違う。だから、そもそもパラレルワールドがなにかなのも不明だし、裂け目が何であれ、アレが起きた原因があるはずで、それはそれで理由がつけられてる筈だけど、それもちょっと現段階では見当がつかない。ただ、悪魔自体は倒されると砂のように崩れなくなってしまうので、なんらかの仮想世界やその住人っぽいんだけど、今回返ってきた少女の父ちゃんのように、ではなんで神隠しにあったのかとか、彼が悪魔に変化するという設定や理屈付けがよくわからんところ。
 なので、今まで途中からどうにもヌルい作品でシチュエーション先行型で、ストーリーの質は低いな…と思っていたのだけども、おそらく自分が全然この作品を理解してない可能性が高いことが分かったという。ただ、明かされてる情報からすると仕方ないよね…とは思うんだよなー。原作者の頭の中では、彼の設定に従ってキャラは動いてるのだろうしそこには入念な理屈付けがされているのだとは思うけど、分かりやすくそれを言語化してくれてないので、自分の力量では読み解くのが困難。なので、それぞれのエピソードの外面を眺めてみると、そこは何のひねりもないお涙頂戴的なシナリオや共感性の高いシナリオがあるんだけど、その設定の働きがわからんことには薄っぺらい話としてしか映らないんだよな…。

おーいトンボ#12

 島を出る決心をした主人公だが、卒業式を迎えいきなり美少女に、そして恋愛も成就するという話。続編があるのかどうかわからんが、とりあえず一期の〆に向けて自然な流れ。ヒロインになんらかのビハインドがあるか内科に関わらず、才能ある若者の未来を信じて大人たちが奔走する姿は、村一番の秀才を村総出で応援する前近代から近代にかけての物語を彷彿とさせてなかなか見ごたえがあった。

ガルバンクライ#12

 ライバルのバンドとの勝負を受け、新曲制作に奔走するが…の巻。なんか主人公、あんだけ狂犬だったのにおとなしくなってるwww。いろいろあったということだけども、個人的には青春モノとして楽しんでます…といったところ。