ブルバスター#11

 支援者が現れて親会社と戦う決意を新たにする話。うーん、自分も若かったらこれで盛り上がれたのかもしれないけど、今や大企業は政権に食い込んでより狡猾になっているし、それ以前にこの作品の孤島にUMA発生で機密扱いなのに担当は零細企業で国家としてザル対応という設定なので…。巨獣から新種の神経伝達物質だとか、サンゴから毛生え薬というファンタジーもさることながら、あの巨獣からの新薬も設定聞いてると危険そのもの(要するにその巨獣からの新種の神経伝達物質は、既存の哺乳動物に治験投与されて異常をきたすという結果が出ているようなものなので)だから、もう無茶苦茶やなという感じ。
 なんつーか状況は偶然が重なったという形にしているものの、悪の組織の陰謀を正義の味方が膺懲するというヒーローものにありがちな展開を目指したものというのはわかるんだけど、個人的にはロボットに興味が無いし、そのロボットも中途半端にリアリティを持たせる反面、やはり荒唐無稽だったからなんじゃコリャ状態で、もっと中小零細企業あるあるなネタを期待してたから、そのへん前編のちょっとした部分でチラ見せしてきただけなのが残念ポイントだった。
 今回ちょっと面白いと感じたのは親会社に退職届を出したという元研修生の扱いで、いちおう形の上では自分の信念に従って彼なりの正義を貫き通したとなっていたのだけども、この物語ではいちおう彼にコンプラを守らせてるからイイ話ダナーで済むけど、今や百の人間がいれば百の正義があるという時代なので、未熟な人間がそのお気持ちに従って信念を貫き通す社会になると世の中めちゃくちゃになる可能性があるよということが読み取れるところ。まぁ現実社会ではそういうのが暴走してかなり日本がめちゃくちゃになっているんだけど、かなりオブラートに包む形で、気が付く人にだけ伝わるような提示の仕方をしてたのかな…という。

イケナイ教#11

 ヒロインの妹が危ない目に遭う話。ようやくアニメ版の長い旅も終わりに近づいたかといった感じ。ここに至って思うのは、まぁ内容が無いというのは揺るがないんだけど、凡庸な話立てで昔の萌えアニメと同じ感性なんだろうという印象。イケナイ遊びというのはエッチな連想を抱かせて実は甘やかすだけという軽いミスリードなわけで、そのへんは最初の数話見たらすぐに納得もできるし毒にも薬にもならぬものだけど、結局家族関係や恋愛感情に収束してしまうわけで、どうということもないものだったような気がする。いわば源氏物語異世界版(さすがに転生要素は皆無だが)といったところで、元ネタが平安時代腐女子向け妄想ハーレクインだったのが、この作品だとおとこのこむけにおんなのこは大事にしろよ以上の何物も言ってないような気がした。

影の実力者2#11

 豆腐メンタルだった縦ロールが真相を目の当たりにして色々決断する話。これ、なんというか、今までいろいろもたもたしてたけど、それだと全然話が進行しないので、無理やり事態を進行してみました…というのを劇中キャラが意図してたみたいに見えちゃってそこそこ面白かった。食事の時間なのにオモチャ遊びをやめない子供からオモチャを取り上げて無理やり食卓につかせました…食卓には処理しなければならない案件があってようやくその処理に手をつけてくれました…ただ一人だけに任せているといくら時間があっても足りないので親が手伝ってます…とかそんなの。
 しかもこれにまだ勘違い要素を絡めてるのがまたね…。ギリギリアウトになる寸前までのタイミングを見計らって渦中のキャラに働きかけたり、出番のためにぬかりなく配置を完了してたりと、なんつーか縦ロールにくだんの指輪を渡すにしてもうっかり落としたとか言ってたけど、どう考えても意識して行動してるだろーwwwみたいな。どうにもわざとなのに勘違いを装うというのがあからさま過ぎてヒくわ…なんだけど、この辺をファンは楽しんでるんですかね…。
 今回うっかり聞き逃すところだったんだけど、ベートーベンの「月光」がオルガン曲にアレンジされてたのが個人的にはなかなか聞きごたえがあった。音楽ついでに言わせてもらうと今期ED、アレ歌うのがめちゃくちゃ難しい曲だよね…。サビ前のフレーズでいきなりハイ側に音が飛ぶのもそうだし、サビでも音が高低繰り返すのは歌手泣かせで、歌ってる側も音を外さないようにするのに精いっぱいで聞き惚れさせるまでに至ってないのがちょっと苦しい。アニオリ温泉回でヒロインズ集合で歌ってたEDが前期のもの*1だったのも、今期EDだったら合わせるのが至難の業と判断したからじゃネーノ?と思ってしまっていたという今日この頃。

ウマ娘3#11

 主人公がいろいろわからされてしまう話。これはいいクライマックス。今までがイケイケドンドンの爆発の威力勝負だったのに対し、今回は自分の衰えを自覚する話で、話の流れも自然ながら、勝負前の特訓みたいなアゲアゲ展開でもないし、勝負に勝ってカタルシスが得られても興奮が発散してお終いって話でもなくそれで主人公が自覚して重苦しい雰囲気になるのも、じっくり胸に沁みいる感じで今までのお話とは別格だった。勝負前には努力する姿を見せて視聴者を盛り上げたりするんだけど、そこは敢えて描かず(彼女の今までの在り方から努力をやめてしまうはずが無いので)、モノローグで細かく説明したりすることもなく視聴者の想像にまかせたり、劇伴で心情描写するということも極力抑制的で、これがあのフォーマット通りの王道展開ばかりのウマ娘脚本か?と思わせるほどだった。
 今回特に秀逸だったのが、大谷翔平との対比がもしかして考えられてる?って点。地元から愛されており、その気持ちを尊重してホームフィールドで頑張る主人公と、高校時代から周囲に配慮されそのおかげで大成したのに、自分の気持ちを優先させて日本をトンズラ、海外でもジョブホッピングを繰り返して自分にとってのパフォーマンスを追求してる大谷。どう考えてもエンジェルスを袖にして史上最高額の契約金で移籍したところまではシナリオに反映されてないけど、もしかして投げ続けたら甲子園に行けたかもしれないけど温存してもらってチームは負け、それでもお大事後だからと地元にもおそらく愛されていたはずの大谷を応援してたファン、楽天は出身高校にも近かった楽天だったハズだがそこを踏み台にして怪我までして有名になることを優先させていることにどう思ってるのか考えると、今回のシナリオの行間に埋められた要素の膨大さにひたすら感心させられることばかり。


絆のアリル#23

 出番前に学園内選考に不満な内部の敵にハッキングされて二進も三進もいかなくなるが…の巻。まぁだいたい真打は大トリを務めるものなので、ライバルチームが優勝する線が濃厚やな…、とはいえさすがに主人公チームも産みの苦しさを体験させてるから、どちらが勝つ展開になるかはわかんないぞ…と思ってたのだけども、どうやら主人公たちが大トリをつとめて大団円っぽい雰囲気。ライバルチームのパフォーマンスも個性の感じられない見世物だったし、こりゃ主人公が勝つ展開が濃厚やな…とは思うんだけど、どっちが勝つか確証は得られないし、この作品の大テーマがお互いが切磋琢磨して高めあうってところにあるのだろうから、どのユニットが勝ってもそのテーマを損なうことが無いと思うんで、個人的には勝敗自体に執着はないかな…。
 しかし動画配信としてのあり方でいえば、有識者の評価ではなく、不特定多数に訴えかけてどれだけの高評価を勝ち取ってくるか…でしかないので、学園側でいえば校長のあり方はほぼ正しいと思うんだよね…。ただ、大衆の判断が社会をより改善していく方向に進むとは決して言えないので、そのこと自体を正しいとは思わないし、この作品についていえば若者たちの成長にフォーカスしてるからこの流れで全然結構なことだとは思うけど。

カミエラビ#11

 敵との戦いで運悪く大衆に踏みつぶされそうになる展開。まぁ今回の話はこれはこれでいいんだけど、次回最終回ということでなんか小ぢんまりとまとまってしまったなぁというイメージ。神を選ぶのだし、主人公の親友が、主人公が勝ちぬけすることが一番いい結果を生み出す…なんてことを言ってたので、もうちょっと世界は明るくなる方向に展開するのかと思ってたんだけど、限られたキャラ達の間でドラマが繰り広げられてしまい、もっと広い範囲に影響するってことになってないから、これで本当に世界が(すべて救われて大団円とまではいわないまでも)よりましになった…という結論が示されるのかどうかどうにも先行き不安な感じ。ただ、ヒト一人の感覚でいえば、自分が認識できない範囲の人たちまで、(主人公が)よりよい環境を与えるってのも不思議な感じなので、自分が生きていくうえで重要度の高い人たちやそれに繋がる人々を、この物語で登場してる味方キャラに集約して描いてる…のであれば特に違和感もないから、物語の先行きが見えない状況で最終回でドーンと結論を示すというのであれば、こちらとしては楽しみに待つしかないという感じかな。

16bit#11

 過去世界にタイムスリップして競合作をぶち当てるためにゲーム制作を開始したが、主人公は重要人物として合衆国の投資会社に拉致されて、ヒット作の製作のために人身御供にされそうになる話。現在と過去を行き来して主人公が作りたかったゲームをようやく作った…という流れからすると突拍子もない方向に展開していってるようだけど、近未来SFとしては特に突飛でもない話立てかな。とにかく今までの話の展開速度に視聴者が慣れているうちに、どんどんスピードを上げていって混乱させるというか、予測を裏切っていくという構造だと思うんで、ここらからはあんまり今までの積み上げから先を予測しながらシナリオを楽しむというより、ライター陣の手のひらの上でおとなしく楽しんだ方がよさそう。
 しかし、かつて主人公が世話になったソフトハウスで出したゲームも、それにぶつけるために今プログラマ君と作ってるゲームも、それを過去にさかのぼって出してしまったら、主人公がそのゲームを作るにあたってかつて楽しんで発想を得た既存ゲームのアイデアを使ったものなので、どっちにしろそれらのゲームが出なくなる→では主人公がアイデアを得たゲームがなくなってしまうのならそれらを参考にしたゲームを主人公は作れないのではと思うんだけども、その辺の処理はどうなるんだろうか?。ただ、その疑義は前回だったか前々回に主人公のセリフに反映されてたと思うから、作者がそれについて考えてないわけではなさそうなんだよな…。まぁこれも展開が速いのであと2話分予断を許さずに追っかけていくしかないなー。

WiggleCRC、逝ってしまう。

 どちらもUKの自転車パーツネットショップ大手で、日本への送料無料と在庫処分品大安売りで自分も過去重宝してたのだけども、ちょっと前から業績不振で破綻したという情報が流れてた。それがつい昨日あたりに、業態の変化で日本への発送をやめてしまい購入不可になってしまったとのこと。WiggleCRCが合併したり、なんどか業績不振で身売りしたりはしてたのだけども、海外通販が賑やかだったころはかなり利用してた。でもここ数年は安売りの割引率も渋くなって買いたいと思うものが少なくなっていたのだけども、それでも年に一回ほどは利用してたが、もうそれもかなわぬといった状況に陥ったらしい。
 悲しいと言えば悲しくないわけではないんだけども、もうお得感も少なくなっていて、もう日本の発送を取りやめてしまうのか、それならめぼしいものをちょっとばかし確保しておくかといろいろ目を通してみたんだけど、自分がこうなるなら確保しておこうと思った、ライフラインのライトホルダーの値段を見て、前に購入したときは1000円超えだったのが2000円超えと倍近く値が上がってたから呆れてそのままフェードアウトしてしまったという。
 国内でもシマノが来年1月1日からかなりのパーツを値上げするらしく、なんと油圧ブレーキ用パッドという消耗品までせせこましく値段アップらしい。シマノとしてはパーツ売りする商品は、もう貧乏人相手に安いパーツを売っても利幅もショボいし、カネ持ちだけにパーツをドーンと買ってもらってという商売に切り替えているっぽいね。
 自転車関連の動画を見ていても、思ったより数は少ないのだろうが、取り上げる車体の総価格が百万超で、市販車で高級品の完成車を買おうと思えば200万ぐらいはアタリマエ、カネをかければ300万という見せ方をしてたのはもう呆れてしまうというしかないけど、そういう高額な自転車をホイっと買えてしまう層は、マクロでみるとたとえ本人にその自覚が無くても日本人の中間層以下から容赦なく搾取していることはほぼ間違いないからなんか暗澹としてしまう。シマノの高級グレード大幅値上げってのも、要するにそういう搾取層向けのビジネスなわけデショ。正直いい気はせんワナ。

*1:前期のEDもEDでやっぱり歌い手泣かせの曲だとは思うんだけど