よふかし#10

 吸血姫つながりでメイド喫茶での些細な騒動の巻。承認欲求はビョーキという話と、今回の狂言回しの黒髪ボブ吸血姫の結論だったのだけども、んー特に目新しい知見ではないけど、物語にうまく組み込んだかなという感じ。結局食料を生産して生き残ることで必死だった時代は、そのために生活のすべてを構成するって生き方だったわけで、それが工業の近代化を通じて農業生産性が上がり、食うために必死で食料を生産しなくてもよくなって、日本なんかでもそこから高度成長期に生活の様々な分野が効率化されて、もう商売として最低限生きていくためのモノを売るだけでは成り立っていかなくなってしまう。そうすると、自分が売ろうとするものが他と比べてどれだけ良いか、その差異をアピールしなくてはならず、その独自性が際立ってきたのが最近のアイデンティティ経済。生産手段を私有していれば「モノ」を売ればよいのだけども、そうでない無産階級は売る「モノ」がないから、「サービス」を売らなきゃなんないでしょ、で、結局行き着く先が労働力としての「自分」なのであり、逆に売るものが自分しかないというワケ。なので自分がいかに他者より優れているかをアピールさせられているというのが現代人の病理なのであって、まぁ今回のホストキャラの「誰もがビョーキ」ってのはそういうことなんだろうと思う。
 今回のメイド喫茶もしかり、アイドルしかり、そして大多数の人間が就活の際に自己アピールを強制されてきたわけで、別に認知欲求という自分自身の欲求という形を取らなくても現代人は絶えずそのような他者の評価、そしてそれに耐えうる独自性を持たねばならないという洗礼を受けているわけで、そのへんはなるほどなんだけど、ただ、今回の話の結論としてはあまりにもザッとし過ぎていて、まぁそれがこの作品のスタイルではあるんだけど、あんまり救いになっているのかなぁ?、みたいな。
 まぁ最近はお受験など、上級市民になり上がるために子供の頃から英才教育、文化資本の蓄積を熱心な親が子供に施してるんだけど、それも子供に付加価値を付ける「ウチとこの子供は他人よりずーっと優れているんですよ」ということなのであって、そういう果てしのない承認欲求を認め続けていけば事態はエスカレートしてさらに個人に求められる要求は過大になっていくと思うのだけども、なんか自分なんかはそういうのめんどくさいし、やればやるほど社会は生きづらくなるので、別に平凡でエエじゃん、アイデンティティなんて投げ捨てろと思ってしまうんだけども、どうなんだろうね。この点に関しては全然世の中進歩してるどころか人々を苦しめるだけでしょ…みたいな感覚なんだけど。人間、なにものにもなれなくて全然いいんだよと思ってしまうのだが。

魔王さま2#9

 バイト先の農場で、野菜ドロボウをとっちめる話。うーん、なんか主人公の再起話と大規模農家のお仕事紹介がいまいち融け合ってない印象。農家のばあちゃんの信頼を得た…ってことで、これからの主人公の進む道が開けそうみたいな構図なのはまぁわかるんだけど、子育ての件といい、どれも中途半端な感じがする。
 とはいえ、まぁラノベだし基本三文芝居なんでこの程度で構わない気はする。この世界特有の神と悪魔の関係性とか正直興味が無いし、個人的には窮乏生活で貧困層の生活をどれだけ活写して、どれだけ寄り添おうとしてるのかが注目点なので…。
 野菜ドロボウと聞いて外国人の犯罪なのかなと思ったんだけど、そうではなかった。アニメ1クール目が10年以上前だし、昨今の外国人の農作物窃盗は割と最近聞くようになったことなので、昔はばあちゃんが言う通り日本人がやってたというのが大半だったのかも。でもまぁ昨今の農産物窃盗は、技能実習制度とか、つい数日前も留学生ですら鎖で監禁とかやってたので、日本に夢見てやってきても奴隷扱いで仕返ししたろと窃盗に及ぶのは、まぁ自業自得の面も大きいと思ってるのでなんとも。窃盗犯を捕まえて身の上話を聞いたら壮絶な搾取の様子が…だとこの作品の作風にも合わんだろうし。

アイスコーヒー(ソーダ)フロート。

 今となっては2週間ほど前のことだろうか、まだ暑い盛りにアイスを買うことがあったのだけども、こう、ひと箱に5個ほどちょっと小さめサイズの取っ手付きアイスのようなものをちょこっと食う機会があった。ところが、あれは同じ種類のものが入ってることが多いので、ちょっと変わり種の喰い方はないかと思いついたのがコーヒーフロートを作ること。で、ちょっとばかし試してみた。

 まず、ペーパードリップで落としたコーヒーを冷やす。で、氷をブチ込んだ真空断熱タンブラーに。冷やしたコーヒーと三ツ矢サイダーを入れ。モナ王の最中を取り去った中のバニラアイスを二つ分入れた。サイダーに糖分が入ってるからわざわざコーヒーを甘くしなくてもよいだろうという判断だったが、味はあまりコーヒーという感じがしなかった。むしろ普通のソーダフロートのような味。


 コーヒーフロートにあんま関係ないが、自分円錐形のドリッパーを使ってるので、汎用コーヒーフィルターをこういう折り方をして使ってる。まえにドリップ直後のコーヒーをグラハム管で冷やす記事の時に書いたと思うが、いちおう再度。で、先日ダイソーに行ったらこの円錐ドリッパー用のフィルターが売ってた…。でもまぁ汎用フィルター3~4人分は110円で70枚、円錐専用のは40枚だったから意味がないわけではない。

 で、こっちはサイダーは使わず、クラッシュアイスに直接ドリップしたコーヒーを淹れて作ったコーヒーフロート。ちなみに使ったアイスはモナ王ではなく、スーパーカップバニラ。昔は100円で買えたと思うんだけど、今もうちょっと高くなってる。こちらもブラックコーヒーで砂糖は入れてない。アイスが甘いので何とかなるだろうという判断だったが、こう、苦みというより渋みが勝って、どうにもイマイチという感じだった。


 で、最後にコーヒーに砂糖を入れて、今度はモナ王(画像はなし)のを作ってみたら、上記2種よりはまだマトモで、こんなものかなと思う味。


 というわけで、コーヒーソーダフロート糖分ナシ、コーヒーフロート糖分ナシ、コーヒーフロート糖分アリの三種を作ったのだが、なんやろ?、喫茶店で飲むより安く作れるけど、なんかコレジャナイ感がした。個人的にはアイスとコーヒーが混ざった部分はコーヒーの香りとコクが良い感じなので、その部分を喰ってる時には割と満足なのだけども、液体部分を飲むと冷たいのでコーヒーの味や香りを感じにくいし、初期の頃はその薄味のコーヒーを飲んでるだけの感覚なのであまりよろしくない。しかも大分飲み進めてきて、アイスとコーヒーが混ざった部分を飲むと、カフェオレのようなコクのあるものが味わえるかと思いきや、その時は氷が盛大に溶けてしまいコーヒーとアイスの味わいは水っぽくなってしまって飲んでてうまくない。
 なので、コーヒーとバニラアイスのアンサンブルを楽しむには、こういうコーヒーフロートという形ではなく、バニラアイスにコーヒーを垂らしかけてそのまま食う、つまり飲み物ではなく食べ物の形で味わうのが良いと思った。