スパファ#4

 面接試験の巻。いわゆるお受験だと、日本の場合あんまり圧迫面接をしてるというのは耳にしないのだけども、だからこそこれ、ターゲット層が大人向けなんかなと。別に子供めせんでターゲット層が小学生なわけないし、むしろ就職試験で圧迫面接を受けるぐらいだったら、よっぽどでない限りこっちから三行半つきつけてやれぐらいの主張のようにも思える。
 個人的には子供がもっと超能力を使って父親の考えを読んで受け答えするのかと思ってたら、そういうのは少なくってなかなかよー考えとるわという感じ。主人公も任務のためにもっと我慢するというキャラを貫き通すかもとも思ったんだが、この作品のテーマが関係性なのでよーく考えたらそれでは話にならんわなと。

処刑少女#5

 ついに連れてきた異世界人を処分するときが来たが…の巻。まさかおとなしく殺されるとも思ってなくて、別の展開があるだろうとは思っていたのだけども、うーん、なんだろ?。全然予想してなかった思惑で、いい意味で裏切ってくれてるのではあるんだけど、なんか今ひとつピンとこない。大司教の動機もそんなものだろうとも思うし、まぁ結局のところアベトモだったわけじゃんとも思うし、これも取って付けたような異世界設定ではなく、ちゃんと現実社会とのリンクが考えられてるわけで、もちろんダメだっていうわけでもないんだけど、こうなんかスッと自分の中で腑に落ちる感じがあまりしない。
 結論を言うとおそらくこれスロースターターな作品なんだと思う。OP映像見る限り、処刑ばっかやってて自分の生活に潤いがないどころか荒み切ってるはずで、それに彩をあたえるのが異世界少女なのであり、ただ、今のところ異世界少女が主人公に向けてる好意が、今回の話でも明らかなように空回りしていて、全然関係性を構築できていないし、そりゃ死んでいく彼女に対して主人公がそんな気持ちにならないのはわかる。なので本当に関係性が強固になっていくのはこれからなのであって、今までが長い長い前提条件の説明だったんだなという。異世界少女の転生前の過去話もまだだし、主人公の師匠もあれだけデキる人間なのだから、この件に関しても何か掴んでるところがあるはずなのに、まだ一切顔出しもしてない。なので物語上のミッションが今ようやく明らかになった段階で、エンジンがかかるのがこれからってとこなんだと思う。
 うーん、なんか難しい感じ。最初転生してきた少年の顛末もそれなりに衝撃的で、列車でのトラブルもそれなりに迫真的だったしで、読者を飽きさせない作りにしているのはわかるんだけど、今若者で早送りが流行ってるらしいのだけども、こうやって#5まで視聴してみると、彼らがそうやって要所だけチェックしてスキップするのもわかるというか。かといって自分が早送りするか?といわれると、それはしないんだけど、なんか難しい話。
 ラノベは読みやすさ重視だから、そもそもが語感やテンポ、軽妙さのために、純文学ほど言葉を厳選して重みを付け加えたりはしないのであって、ならばどうしても中身は比較的スカスカになる。となればその分だけスキップしてストーリーの枠組みだけ拾ってもそんなに支障はないのであって、なるほど早送りするのも無理はないといったところ。だからといって原作者もラノベに求められる要素を整理したうえで、言葉や表現は厳選しているのであって、本当に中身がスカスカというワケでもないハズなので、構造的な問題なんだろう。まぁそのへんなろう系のようにドシロートでも表現ではなくアイデアの特異性でヒットしてる作品もあって、同じラノベであっても表現のクォリティはピンキリなんだとは思う。
 まぁここに至ってこの作品だと構成はしっかりしてると判断せざるを得ないし、そのへん俺TUEEE展開のなろう系とは違うのはわかるから、以後の展開を楽しみにするのが吉だと思う。

くノ一ツバキ#4

 とりあえず男と女の交流を断った経緯を先生が主人公に説明して、物語的には保留段階になるの巻。主人公は特定の気になる男がいるどころか、やっぱり男を見たことすらないといってたから、あの思春期の動揺はどこからくるのかよくわからんところ。意識してないだけで過去男との何らかの接触があって、それを本能で覚えていた…としか考えられないんだが、まぁそのへんの理由が説明されるかどうか。
 あと、そうなると、これ、昔でいう若者宿や娘宿そのもので、年頃の子供は親元を離れて共同生活をし、そこで仕事を覚えて一人前になりつつ村での流儀作法も覚え、伴侶ができればいわゆる「卒業」していったわけなので、二人の時間がもっと欲しいから村を出るってのはあんまり考えにくいところではある。だってあの合宿生活のようなことでそのムラ独自の教育を受けて成長し、伴侶を見つければ若者宿や娘宿を抜けるのは当然のことなのであり、では抜けた後何やって二人で食ってくの?と考えたら、教育を受けた忍者としてでしょというしかないから。訓練の途中で相手とイチャコラし、身が入らないというのはまぁそうなんだけどサ、近代とは違ってそんなに自由に職業が選択できるのかどうかは、個人が能力を発揮できるのか?ということや社会がそれを受け入れてるのかという問題があって、手に就けた職に就くのが一番なんじゃネェのみたいな。それに若者宿や娘宿はむしろ男女の仲を取り持つ機能があったりしたところも多いので、そのへんやっぱこの作品は前近代をモチーフにしていながら、中身は全然近代の物語になってるような気はする。
 あー、でもBパートののんびりした話はちょっと個人的には渾身の出来という感じ。結論がとってつけたようなところが惜しいが、かんざし娘が山道をのんびり散策するところなんてもう涙が出てきたヨ。