よふかし#12

 吸血姫になることに主人公が激揺れする話。ヒロインが、夜は非日常で非日常は続かないとか言ってたけども、まぁ人間というか吸血姫であろうとも、日常を過ごしていかなくちゃならないワケで、これで主人公は昼の日常も体験してるし夜の日常も体験できたということになるので、あとは彼がどっちの日常を選択するかだけの話になってるんじゃないかなとかそんな話。
 しかしここで主人公をゆれさせて人間の弱さを見せてくれるとは思わなかった。というか、強い決断とやらに邁進して一度決めたことを貫徹する主人公スバラシイという展開よりはるかによい。
 主人公の周辺が語られてたが、母子家庭であの時間に母親がいないということはおそらく夜のお仕事をしてるということなのだろう。ここで主人公が夜の住人を選択したら親子ともども裏社会へ…みたいな方向性になってしまい、貧困から抜け出せないんだろうなとぼんやり思うのだが、まぁ平均的な家庭生活を送ること、もしくはガッパガッパとカネを稼いで老後まで安泰という生活だけが正しいわけでもなく、いや自分がブクマで常々述べている通り、年収一千万とかの職というのはカネとか情報とか右から左に流して、底辺労働者の成果を奪ってるだけなんで、まぁ何が正しいとか悪いとかそういう話なのではなくって、今はただ主人公の選択を待っていようかなとかそんな段階。
 そういや今回出番がなかったが、花守ゆみり、この作品の演じ方割と好み。黎明期の演技がいかんとはいわんのだけどもあの作品だと演じるキャラの要素に縛られて、役としての遊びがなかったというか、あんまり合ってないなとは思ってた。この作品だとキャラに幅を持たせられているというか、それでなお視聴者に媚びるわけでもない自然な魅力が出せてたなとか、まぁ後から見返すとまた違った評価になるのかもしれんが、今んとこなんかしっくりする感じだったなと。いやまぁ作品のシナリオによる部分は多いのかなと思わなくもないがそれにしてもヒロインメインの人にはなかなかできんことだろうなとか思ったので。