タクト#8

 なんか二人で盛り上がって危機を脱するし組織が正常化する話。この作品の敵がコロナのメタファーだとして、そのコロナが身内からの不手際で拡散してしまったという構図は、ちょっと前には中国が細菌兵器を開発してたとしきりに合衆国が糾弾してたのだが、アレ、実は合衆国がコストの安い中国の研究所に細菌兵器開発を業務委託してたという報道が流れた途端ぱったりと中国非難がなくなってしまった世界の不思議みたいな感じでワロタ。まぁどう考えてもこの作品のシナリオがそういうのを取り入れて作られたというにはタイミングが全然合わないので。しかしなんだな、運命はベートーヴェン、巨人はマーラーだというのはパッと思い浮かぶのだが、天国と地獄はオッフェンバックなの?。オッフェンバックが作曲家としてダメってことでもないし、天国と地獄という曲も名曲じゃないというつもりもないのだけども、ベートーヴェンマーラーは時代を代表する巨匠って感じで、その巨匠の代表曲が運命と巨人というのもわかりやすい話なのだが、それと並び立つ存在というにはちょっと格が落ちるという風にどうしても感じてしまう。今までは天国は天国、地獄は地獄単体でなにか紐づけられてる記号があるのかと思っていたのだけども、今回の話で二人が合流してしまうので、フツーにセットでしょと考えるしかない。まぁ日本においては運命はともかく、「巨人」はロマン派と現代音楽の移行期にあたる作品で、あまり音楽に馴染みのない人にとっては知名度が低い曲であって、むしろ天国と地獄のほうがポピュラーだから、そう不自然ってわけでもないんだけどな…。
 しかし、今回ようやっと気づいたのだが、前に死んだ娘に勘違いされていた話があったのだが、運命ちゃんをずっとコゼットと呼んでたお姉ちゃん、あの話で自分こそがあのボケ老人と同じと気づいたというシナリオだったんだなという。
 しかしよくわからん。本当にコゼットとしての意識は根絶し、そっくりそのまま運命ちゃんの意識と入れ替わったのか、それとも記憶は封印されたとかそんな感じで、コゼットを構成している神経システムを借用する形で運命ちゃんのシステムがのっかっているだけなのか、まぁ簡単に言えばコゼットの魂は無くなったのか休眠状態なのかはよくわからんところ。まだなにかしらコゼットとしての要素が残っているのなら、要所要所でそれを彷彿とさせる描写をしてもよいはずだが、割とそのへんかなり痕跡を消してる感じに見えるから、別にコゼットは完全に死んで運命ちゃんにとってかわられてるって考えてもおかしくない。個人的には今回の洞窟での演技にコゼットらしきものを感じたからどうなんだろうなという。そのへんはライターの胸先三寸なので、物語が終わるまでは確定しないってところか。でもそれだと今回お姉ちゃんが、もう妹は死んだと決別して新しい人格を受け入れたという流れが浮いてしまうから、やっぱり方向性としては別人ということのような気もするが…。
 前回からの持越し事項、曲はどうやって作られるべきかについては、主人公が特定の人物にこだわっていたのに対し、運命ちゃんは必要としてる万人にみたいな投げかけ方をしてたな。で、結論はどっちもやっとけ。両者を重なりのない関係と考えるのではなく、包含関係としちゃえばええやんって、まぁある意味安直な結論ではあった。
 しかし本当によくわからん。今のところ解決に至るところの要素は単純明快であって、深刻そうな状況設定だとかやりきれなさを描いておいて、深く考えるな、感じろみたいな印象を受ける。個人的には一足す一は二みたいなアタリマエのことが見たいわけじゃなくってさァ…という感じなのだが、まだいろいろ明かされてないこともあるし、終盤でいろいろ伏線がつながって…という可能性は大なので、まだまだ様子見段階。しかしアニメ自体がゲームへの誘導だろうし、別に終盤でいろいろ解決させてしまって視聴者を満足させてしまったら、もうアニメで十分、ゲームはいいやってことにもなりかねんので、謎はいろいろ残したままアニメは終わる…という感じかねぇ。

斗神姬#7

 木星の公転軌道上のトロヤ群にてウォッチ任務中、主人公が光るもやもやを見つけて確保以来、白昼夢を見てしまう話。今回の舞台は、かつて大規模戦役のあったところで、あのふわふわは、戦死者たちの残留思念だとか霊魂のようなものみたいと考えるのが妥当だが、主人公の姉の霊魂が妹を見つけて人恋しさによってきた…というには、あの不思議少女の態度が気になる感じ。姉のだったらそういう態度をとるだろうし、姉の霊魂でないのだとすると姉の思いを媒介するものとしか現段階では推測できない。姉がもうとっくに戦死してるというのなら物悲しい話であって、今回の話もそういう方向性で不思議でもないだが、まぁ生きてるか死んでるかはクライマックスまで明かさないでしょ。