チート薬師#12

 パーティーでお祭り騒ぎENDと、次号予告にあった主人公の転移経緯。ちなみに薬はキヨーレオピンに服を修繕する薬。前世ではきっと薬に関係する職業だろうなと思っていたのだが、明かされたのは営業職ということだけ。まぁ製薬会社にもMRはわんさかいるし、自社製品を担当医師にねじ込んで採用してもらうのは結構至難の業だから、なかなか成果が出ずにパワハラ上司に詰められるのはまぁ。前回述べたように、マスプロ資本主義批判だとすれば、前世にそういう要素を入れ込んでくるかもと思っていたら、そういうのも全然なく、嫌な日常から逃げたいと願えば異世界に転移してた…という経緯もクソもなかった。まぁ地域密着型とマスプロの対比は今までの描写で十分とはいえるんで、そのへんはなんとも。しかし創薬の件、てっきり前世の知識を主人公が移植してたと思ってたら、それも全然関係なく、転移の際にスキルとして自然に獲得してたというのだから、もうズッコケた。まぁそうでないと、物理法則ですら無視する薬なんて作りようもないワナ。
 まぁそんなわけで、最終回はもうやっつけ仕事感半端ないというか、今まで登場したキャラ集合して顔見せして終わりなのだから、とりあえず最終回としての体裁を整えて〆ましたというあたりだと思う。まぁこれも途中経過の感想で述べた通り、そんなに深いメッセージ性を仕込んでそれを読み取ってもらうとかそういう重ためのテキストではなく、読み捨て御免の軽いテキストと思ってみたら、そう評価がどうのということを語るだけ野暮なのかなといったところ。モチーフからすると毒にも薬にもならぬ作品といったところか。

女神寮~#10

 しょぼカレ見てたら、11話以降も放映するという予定になっていたのを見たような気がしたのだが、どうも放送局によって特別編がという話でもなくって元から全10話みたいだった。今だとしょぼカレも修正されてる。これ、戦乙女の食卓2もそうなんだよな。そもそも大陸で全8話だったのに、10話やる予定みたいなスケジュールで、結局やっぱり全8話だったという。
 さて最終話は年末の準備をしてたら、主人公風邪をひいてしまって…の巻。おねショタなんて誰得と思いながら視聴してたのだが、連載誌が少年エースということで、まぁフツーにターゲット層は中高生男子あたりで、その思春期男子が憧れを抱く女子大生と考えてみたら何の不思議もない感じ。主人公が天涯孤独という設定は、中学生としたらリアリティはないんだけど、別にこれを深夜アニメで取り上げるほどなんだから、別に中学生に限定しなくても、フツーに困窮した個人と考えたらよいだけの話で、それが昨今中流が消え去ってしまった日本あたりとも重なるんで、現代性もあるだろうし、ヒロインズに関しては戯画的だが当世女子学生事情みたいな雰囲気。でもシナリオ自体は現代性に切れ込んでるわけでも突き抜けてるわけでもなくってどっかで見たような日常なので、それほどパンチのあるものでもない。まぁダラダラ見るにはいいけど、そんなにとりたててよいところがあるというほどのものでもない。
 でもなんだろうな?。この雰囲気はめぞん一刻のようでもあり、究極超人あ~るのようでもあり、でもなんというかめぞん一刻のように本人が望まないのに隣人が押しかけてくるでもなく、あ~るほど各人が好き勝手してるというほどでもない。いちおう女神寮の住人たちが一堂に会するシーンが多いのではあるが、基本女神たちは各自の部屋で独自に過ごしているだろうし、今流行のシェアハウスからイメージされる、どこか人と人とのつながりを求めてるような感じでもない。でも誰か困っていたらそのために自然にできることをしようと集まってくるし、共同生活をしてるんだからお互いその範囲で隣人への興味はあるって感じで、こう、視聴してて人と人との距離感がスゴく心地よい感じなんだよな。いちおう客寄せパンダ要素として、主人公以外は見目麗しい女子大生にして、ラッキースケベも織り交ぜてはあるけど、これはべつに男であっても、なんなら老人であってもこの雰囲気は損なわれないような気はする。女神たちは主人公を受け入れるのではあるんだけど、それはよくあるアジールというほど鯱張ってないし、これがインクルーシブと言われたらなるほどと思ってしまうほど。
 まぁそんなわけで、シナリオにパンチがあるかと言われたら、まぁ典型的な萌えジャンルだし、内容自体にはそう見るべきものは無いと思ってしまうのだが、だが、個人的には居心地の良い場所の描写としてそれなりに楽しんで視聴してましたよといったところ。