精霊幻想記#12

 花嫁略奪に成功したが、新たに異世界転移してきた日本人が…で終わり。それなりにケリはつくのかなと思っていたんだけど、逆ギレして本音駄々洩れだった先生の思いも遂げられるというワケでもなく、なんかダラダラ続いていくような感じ。そもそも母の敵討ちのために戻ったのに、先生の救出というミッションでブレイクされてしまってるので、物語的にも全然終わってる感じがしないのだが、それでも先生とくっつくのだったらそれはそれでアニメ版としてはケリがつくと思うんで、どうにもスッキリしない。なんかタイトルでサーチしてみると、2期があると公式は今のところ明言していないが、おそらく80%程度の確率であるだろう、そしてそれは少なくとも一年よりあとになるとあって、説明読んだらそーかもとおもえるだけのものはあったんで、そのへんは過度の期待をせず待ってるのが吉なのかな。
 ピンク髪の主人公専属精霊が転生前の将来を誓い合った幼馴染かと思ったら、どうやら生きたまま転移してくるらしいし、異世界転生周辺の理屈付けも全然だし、仇討ちミッションも全然だし、どうやら主人公周辺のヒロインズのイチャコララブコメもそれなりに重要度を持ってるようなので、そのへん気になるならアニメ続編など待たず原作読めって話になるのだとは思う。個人的にあるかどうかわからん続編を無視してこのシリーズの総括をすれば、物語の基本を忠実に守ってるので、特にストレスも感じることなくそこそこバランスのとれたシナリオ、それも結構詰め込んでる割にはダイジェスト風味もあんまり感じることなく走り切ったのはそこそこ評価が高い。終わってみたらよくできたターゲット層広めのメロドラマって感じで、それに関しては客体化して視聴できるのでそれなりにコミュニケーションツールとしてよくできてたのかなという。ただ、メッセージ性としては、もう一般的な物語に共通する汎用的なものであって、現代日本の社会問題との関連性は低くて、あまりそのへん迫るものは無かった。まぁ原作の段階でそれは意識してなかったんだろうから、それがないからといってダメというつもりもない。日本の古いドラマを源流とする韓流ドラマがヒットしたように、こういうオーソドックスなスタイルの物語が周期的に流行ってるとかそんな感じなのだろうか。何か突き抜けようという意図で奇抜なスタイルにしてみたものの、うまく風呂敷をたためない作品を見るぐらいなら、安定感からこのアニメを視聴する方がマシなんじゃね程度のクォリティはあると思う。

5秒で#11

 敵の軍師的存在を倒して、ラスボス攻略中の巻。予想通り過去話が出てきて、浪花節展開。ただ、このバトルで負けた組織は皆殺しという条件なので、そのへんどうまとめるんだろうというのは気にかかる。というか、敵側の最終目的が語られた通りなんだったら、なんで負けた方皆殺しのデスマッチなどやったのか。話し合いで何とかなったような気はするが、まぁそういう展開だと生き残り上等緊迫感マシマシのシナリオにならないから、まぁ仕方がないか…みたいな。次回で最終回だろうけど、この作品の場合最後までよく走り切ったなという感覚。

かげき#12

 文化祭用寸劇のオーディションの続き。歌が得意なオドオドキャラの話と主人公の入学直前の話メイン。っつーか、リア充じゃん。モテモテでなくてもある程度のコミュ強者でないとそりゃヅカには入れんでしょという気はするので不思議でも何でもないのだが、なんか恵まれた者の贅沢な悩みやなとは思いながらも、それを芸に昇華させていく展開はそれなりにメートルが上がるって感じ。

カノジョ~#12

 結局紫髪のキャラもサイレント参戦してたというお話。まぁ社会的タブーをお笑い風コントにしたてあげてちょっと毛色の違ったラブコメにしましたってところなんだろうけど、評価にちょっと困る。途中経過で、選択肢が多くなった現代人の情報に振り回される姿と書いてはみたものの、それも的外れのような気はして、ではなにかスッキリする答えが見つかってるのかというとそういうわけでもないという。
 そして、ちょっと今困ってるのが、ちょうど総裁選で話題になってる同性婚の是非。なんかの※で見たのだが、同性婚を認めるんだったら、近親婚も重婚も認めざるを得ないってあって、なぁるほどと思ってしまったから。生物学的に異性関係にない同性婚より、近親婚や重婚はそのへんをクリアしてしまってるし、タブーの度合いは全然軽い。しかも歴史的、世界的に見たら、同性婚はごく最近イシューに上がってきてるだけで、今まで認められてる地域はほとんどなかったし、歴史もとんでもなく浅い。反面近親婚*1や重婚は探せば歴史的にも世界のどこかにも現実に制度としてあるわけで、そのへん難しい話。
 まぁこの作品とは全然関係ない話ではあるが、トランスジェンダーを認めろって話も個人的にはよくわからん話で、例えばオカマとかは自分の印象だと体はオトコでも心はオトメだったような気がするが、でも彼らが精神性が女性だから女風呂に入らせろとはいわなかったわけで、そのへんトランスジェンダーだから女風呂に入らせろという主張はちょっと違うんでねぇのとは思ってる。なので、個人の事情があるのだから差別自体はよくないんだけども、それで同等の権利云々というのはちょっとオカシク感じることが少なくないのも事実で、どっかで歯止めをかけておかないと、本人が苦しんでるんだからという単純な理由でなんでもかんでも認めるというのは違うんじゃなかろうかと思ってる。
 なので、そこで振り返って本作品だと、本来重婚が認められるべきかどうかは置いておくにしても、主人公のように真剣に考えているから、誠実を訴えてるから、というのと、だからそれで認めちゃっていいの?という話はやっぱ別問題で、当事者性だけでそれでヨシとはならんでしょフツーとは思う。で、ストーリーとしてそのへんの齟齬は、いわばメッセージ性として機能しているしギャグにもなってるんだけど、あくまでフィクションとして…だよなぁとは思ってる。まぁ主張としては荒唐無稽なんだけど、一つの作品としてちゃんと考えさせる構成にはなっているんで、当初箸にも棒にも掛からぬと思っていた印象はさすがに今はないといったところ。ただ、冷静に考えると、重婚が当たり前という世界になってしまうと、この物語は問題提起としてもギャグとしても成り立たなくなるわけで、やはり重婚はタブーだという社会的合意があるからこそ成り立っているわけで、それが同性婚の是非ということを考えると実はシャレにならん世界がすぐそこまで来てるのかもなという空恐ろしさが途中から付け加わってきたわけよ。

*1:皇族こそが近親婚を繰り返してきた家系なので