4thQ2021アニメ新番チェック

チート薬師#11

 記憶を一時的に固定する薬と日焼け止めの巻。あーそういうことかと。いやはやもう自分がまぬけというしかなくって、そういう構造だった…というのは少なくともこのシリーズ中盤あたりで気づかなきゃらないよな、フツーって感じなのだが、これってやはり共同体もしくは共同体でこういう店というか要素がどういう機能を果たすべきかという姿が表現されてると考えるべきなのか。結局ED直前のうわさを聞きつけて町の人たちが新薬を求めに来るというシーンで、主人公たちはその土地で何が必要とされているのかを見つけてそれを提供するということをやってきてたんだなということが今の今になってわかって、これってやはり大量生産とその消費地としての関係の捉えなおしだよなと。
 まぁ今となっては治療用新薬なんて、たいていが多額の投資をしてたった一種類の薬を開発し、基本的にそれを大量生産して売りさばくということをやってる。ところが前近代の薬師というのは、例えば漢方薬あたりなんかは、一つの症例に関して、複数の生薬の調合方法というか配分が決まってはいるのだが、患者によってはその成分の一つになんらかの忌避反応を示すことがあったとしたら、その生薬を減らす、減らした分だけ他の成分を付け加えたり配分を変えたりする必要があって、ようするに患者一人一人に対してのカスタマイズが必要だし、当然腕のいい医者はそれをやってきてたはず。もちろん現代の医学でもそういうことはやっているわけだが、基本は既製品の量を増減するだけであって、下手したら昔の薬師より単純な加算だけで薬を処方してることも多いだろう。
 翻って、これが薬でなく、商品一般だと考えて、今だともう生活家電なんかも大抵日本では各家庭にいきわたっていて、どうしてもそれがないと最低限の生活を送れないような時代ではなくなってきてる。そうなると製品を作っても売れない企業は倒産してしまうワケで、それでも利益を上げようとしたら宣伝でもかまして「これは必要なんですよ」だとか「これがあるともっといい生活ができますよ」などと消費者を半ば騙すような形でモノを押し売りするようなことになってる。要するに本当に消費者が必要としてるものを作って売ってるんじゃなくて、自分たちがカネ儲けをするために本来あってもなくても困らないようなものを必要だと思い込ませて…つまり、需要を喚起して…日本の経済活動がそれによって成り立ってしまってるといってよい。
 ところが、この作品は最初っから、まずトラブルがあって、そしてそのトラブルを解決するために主人公に解決の依頼が持ち込まれることになる。そしてそのトラブルを解決するために顧客の状況に応じて創薬もしくは薬の調合が行われて顧客に与えられ、トラブルシュートが完了するという形になってる。
 まぁ難しいところで、もしこの世界が現代と似たような文明レベルだったら、別に主人公たちに依頼しなくても、もう便利な薬やアイテムは一般人が容易に入手出来て個人個人で解決ができるという状態だったらそもそもこんな話が成り立たないということではあるのだが、そうではなくって、薬そのものでなく、トラブル自体もなんらかの記号やメタファーなのであって、上記、地域や庶民が本当に必要としているものを個々の顧客にカスタマイズして提供するというあり方と、そうじゃなくってとにかく金儲けのために大量生産したものを、顧客が必要としているしていないに関わらず宣伝かまして売りさばくという現代社会のあり方の対比なのであって、となれば、今まで自分が感じていた、この作品の薬のリアリティ自体にこだわるのは本質を見誤ってたというしかない。
 しかし、これもまたよくわからんところで、原作自体にそういうテーマが最初っからあったのか途中でそういうのを入れ込んだのか、まぁ原作自体読んでないから不明なのだが、どうなんだろ?。今までずっと気になっていた、主人公の転生経緯を最後まで引き延ばし、もしかしてこのままやらないかもと思っていたぐらいなので、でも次号予告でエピローグの形で示されて、そういえば現代の新薬の大半はマス消費の形だよなと、現にそれで自分も気づいたわけで、しかもキリオドラッグは別に商売熱心でもなくそれでも町の人たちに必要に応じて頼りにされてるというシーンとのセットでということもあったと思うので、もしかしたらアニメスタッフが原作にそういう要素があるのを見つけてそのように再構成したという可能性もあるわけで、そのへんはよくわかんない。大抵の異世界転生モノは最初に転生の様子が示されるから、この作品はどうだったんだろうなとはちょっと気になるところではある。

4thQ2021アニメ新番チェック

 まだめぼしいサイトを全部チェックしてないんだけど、思いついたこの段階でメモ。
 なんかもう視聴したいと思うのは続編程度みたいな印象。異世界食堂2、やくも2、86あたり?。異世界は今更感はあるんだけど元々が単発モノだし気軽に視聴するには悪くない。やくもも別にシナリオにパンチがあるわけでなく、紹介、観光などのミックスのバランスがいいってだけだがストレスレスで視聴できるのがよろしい感じ。86はこれは前期がよかったのと、前期とキャラは断絶するのかどうか気になるあたり。
 終末のハーレムは実は原作既読、ただ10巻ほどまでかな。とにかくストーリー展開が遅いのでキャラの関係性の描写で終わるという気はするが、アニメで表現がどうなるのかは気になるので、あまり期待はしてないが視聴はすると思う。あとは真の仲間じゃない~あたりかな。まぁこれは積極的に期待してるわけでもない感じ。スローライフ物はやはりストレスレスなのが前提でそれにプラスアルファを求めて結構視聴対象にしてきてるんだが、大体にして大きく外れることはないんだけども、あと一歩足りない感じはしてる。あまりキッツいドラマ性は期待してないので元々がのんびり視聴するスタイルなんだけど、そういう自分の期待の方向性がマズいのだろうか。ただ、期待してるものがそう大きくはないのでおおむね満足といった感じではある。
 あとは追々といったところ。追記もするかも。