迷宮ブラカン#1

 これもforサラリーマン枠か。よくわからんのが、転生前がセレブニートだということだが、投資で稼いだのだからそのためのノウハウは彼自身が習得したものなのでニートという命名に違和感があるのと、転生後は社畜ということだが、今回の話だといやーな中間管理職的立ち位置で、しかも会社には忠誠心がなさそうなんで、その社畜というワードもちょっと違和感がある。逆境に陥っても自分のいる場で使えそうなものは使い、ハッタリを利かせて事態を乗り切る度量があるのを見ると、こう会社に唯々諾々と従ってもいないし主体的に生きてる感じがあって、厳しい世の中を生き抜く姿として視聴者と重ねたいような感じもするし、彼の周囲に対する扱いを見ると逆に視聴者が叩く対象としての造形も与えられてる感じで、そのへん単純な物語構造でもないらしい。
 うーん、転生先も別種の地獄でしたという作品もあるんだが、大抵は転生前は何か不遇をかこっていて転生先では後悔のない人生のためにという展開が多いのだが、そういうタイプとも違う。転生前はたしかにいけ好かない性格だろうが、自分で稼いだ金を経営に使って人に迷惑をかけることもなくひきこもるんだから、好きにすれば?という感じなのだが、そういう彼がなぜ転生する羽目になったのか、前述のもうワンチャンというわけでもないし、何かの罰で転生させられたというのも考えにくいので、理不尽は理不尽として受け入れるしかないのかな。今後どうなっていくのか、どうせブラック企業あるあるみたいなだいたいの展開のバリエーションは予想がつくのだが、なぜそうする必要があるのかについては今一わからん。コメディに転嫁してるのでストレスはあっても少なめだし、自分がヤバい作品に感じる不穏な雰囲気も感じないのでカラっとしたものなのかもしれないが、どこを目指しているのかわからんので戸惑ってる状態。ブラック労働重視者に寄り添ってるように見えながら、自分ブラック労働のことをこんなに知ってるんだというのをひけらかしたいだけなのか、まぁ寄り添って心にしみる展開にしたところでそれは現実に苦しんでる労働者にとってはファンタジーでしかないので中途半端な同情ならいっそのこと要らないみたいな感じなのか、それらを乗り越えていろいろ笑い飛ばしてよい意味でも悪い意味でもガス抜き的なものなのか、ちょっと今までの作品とは毛色が違うように感じたので興味はある感じ。

俺100#13

 新キャラを追加して次のミッションへ。新キャラの鳥井が輪をかけた貧乏キャラで、しかも軽薄そうに見えてそうひねくれてないのがよくできた造形。で、今までのパーティーになかった要素が追加されているようで、なんか自然な形でメンバー入りしたなという感覚。一行が訪れた地はかつて彼らがミッションを繰り広げた世界の15年後で、かつて行動を共にしたバーサーカー少女と助けた少年との再会がなんともじんわりくる。新ミッションもなんか難易度高くてどう頭を使うのか楽しみ。
 やっぱええわこの作品。最初はもうちょっとエンジンかけるまでアイドリングを続けるのかと思いきや、割と物語に入っていくし、前回からの時間経過を一気に取り戻して引きずり込んでくれるのなかなかのお点前。設定とかJRPG準拠のファンタジーで正直いつもの自分ならちょっとなぁというためらいがあるんだけど、それを吹っ飛ばすだけのものを持ってる感じ。

はめふら2#2

 生徒会による劇にカタリナが代役として出て好評を得るが、そのあとの舞踏会に行く途中拉致されてしまう話。劇中劇は途中から支離滅裂になってしまうのだが、いやまぁなんの、これが楽しいこと。男キャラは途中からカタリナをめぐる鞘当てを始めてしまうし、カタリナのアドリブはそんなに劇を補正するような内容ではないし、基本キャラの馴れ合いであって、関係性の繰り返しもしくは再確認程度の役割しかないのだが、身内に公開する劇であって、演者が学園でどのような人間なのかは観客も分ってるし、人気生徒がスポットライトを浴びるというだけで喝采するていどの、まぁ学芸会なのであって、そのへん劇中劇を鑑賞してる観客と、視聴者の位置関係は一致してる。なので、これは例えば幼稚園の学芸会で、自分の子供が演じてるのを見る保護者のような態度で、セリフをうまく言えたらいえたでよくやったと思うし、間違えたら間違えたでそれもまた愛嬌という、親の欲目みたいなもんだから、むしろ脱線してハラハラさせられる方が、すべて予定通りこなすより、あとあとのコミュニケーションでのネタにもなるわけで、そのへん形式ばった作法に慣れっこの貴族の楽しみはむしろ想定外の出来事であるというのにもよくあってる。
 しかしやっぱりBGM今回もノリノリであるモーツァルト風から前期出てたラフマニノフ風まで結構ごった煮でつるべ打ちなもんだから、BGM聞いてるだけでも楽しい感じ。ED映像はアールヌーボー風だし、そのへんもう前近代から近代までごちゃまぜで、とにかく貴族風味を演出するために格調高くいろんなものを取り入れてるのがわかる。これ、いつもの自分だったら、やれ節操がないだの統一性無視だの文句をつけてもおかしくない要素のオンパレードなのだが、不思議なことに全然気にならない。まぁその理由の大半が、結局この物語がご都合主義の乙女ゲーが背景にあるし、物語そのものもおとぎ話でしかないから、最初っからそのようなものと受け入れてしまってるんだろうな。
 まぁあとはこの勢いがいつまで続くか。なんか事件に巻き込まれているようだが、どうせ解決しちゃうんでしょというのは視聴者にはわかってることだし、ならどう楽しませるかでしかない。ED映像にBADの文字が繰り返し出てくるのではあるが、本当に深刻な状況になるとも思えないしで、そのへんどう切り抜けていくのか気になるところではある。