体操ザムライ#11

 玲が父親の演技を見せるためにレオを連れ戻す話。いい最終回だった、さて#12はさらに後日譚をやるのかなと思っていたら、本当に最終回だったという。うーんやられた。レオが主人公の強さに怖気づいてしまっていたのだが、その強さはレオが主人公を助けた上のことで、感謝の気持ちを込めて主人公はレオのために演技に取り組むという展開が熱くて仕方がなかった。これはいいミスリードで、レオのおかげで主人公が助けられているという構図は、明示的に示されていない…というか入念にさらっと流してたから、この場面になって急にクローズアップされて、オイオイ、そりゃ卑怯だよというしかなかった。しかもそのこっそり構図を仕込むというのは西洋と日本の、言語的コミュニケーションと非言語的なコミュニケーションの対比にもなっていて、なかなかにして侮れん。これができの悪い作品だと、「レオ、お前のおかげで立ち直れたよ、その感謝として精いっぱい演技するから見ていてくれ」なんてセリフになってしまう。クライマックスの大会も選考競技会を兼ねていたから当然主人公はオリンピックだかに出場してるはずだが、それもバッサリ切り落とすという英断。確かに要らんわな。
 レオの公演で鳥モチーフのコスだったから、こりゃ復活のメタファーで演目は火の鳥なんだろうなと思ったら、ストラビンスキーの音楽が聞こえてこない。で、ちょっと巻き戻したらちゃんとswan lakeとあったという。
 いやぁ、後半からのシナリオはちょっと期待以上の出来でちょっと目を離せなかった。大枠では再チャレンジもので、そんなに珍しいものでもないんだが、競技にかける真剣さと肩の力の抜け具合のバランスが良くて、単純なスポ根ではなかったから、それも個人的にはありがたかった。ユーリを作った製作だという触れ込みだったから、大きなお姉さんのドリーム満載かとか思ってたのだけどもそれは杞憂だった。まぁ視聴前の予想としては、とにかくオリンピック応援企画として、前向きなキャラが頑張ってる姿を描いて、選手が必死なんだから視聴者もその姿に触発されてオリンピックや代表選手を応援しろとかそういう作品なんじゃとか思っていたから、その予想が裏切られてうれしい限りだったという。

魔王城#12

 姫が一時帰国する話。毛糸のパンツは自分用でなく、デビ悪魔用だったという認識でいいのかな?。早い段階からそう思っていたわけではないが、姫が人間と魔族の架け橋になるということで、人質という立場は前に述べた通り、今川に預けられた竹千代に近いという形になっていたように思う。部隊長の幼少時の姫の話で、六歳、九歳とあったから、今の姫は中学生当たりの年齢ぐらいなのか。
 中盤初期ちょっと飽きたかなと思ったことがあったが、それ以降は持ち直し、総じて全体楽しめたという印象。社会批判要素がないわけではないけど、それよりは赤ちゃんの大冒険を見守る周囲というコメディの域を出ないので、肩肘張らずに視聴できるのはメリットといってよいと思う。でもこれ、原作者、飽きを回避するためのネタを考えるの大変だろうなという感じ。

まえせつ#11

 新人大会に出場するの巻。今回とこなつのネタは以下略で、R凸をどちらかというと詳細に描いていたから、最終回はとこなつのネタを集中的にやるんだろうなと思ってたら、R凸まさかの脱落。理由は次回待ちだが、商業デビューを目指すなら万難を排して出場が最善策のはずなので、よっぽどの理由じゃないと納得しないと思うんだが、個人的には漫才をマスゴミ経由でやらなくちゃならないってことはないという考えなので、姉の旅館の危機を救えだったらアリだろうとは思ってる。
 次回で大化けという可能性がなくもないんだが、まぁ物語的にそう特筆すべきものがないまま平坦に終わるんだろうなという予感。本当に商業的にやっていくつもりなら全然覚悟が足りないというイメージのまま終わりまで来てしまったなという。今の状態のメインキャラ達はあくまでお笑いわなびーでしかなく、そういう立場のキャラクターから見た吉本芸人の紹介という宣伝としてみればそう失敗ということもないのだが、視聴者がそれで満足するはずもないわな。まぁ初期の数羽のひどさからするとそこから右肩上がりになっていったのは評価できるけど、最終到達点が視聴してよかったレベルまで行ってるかどうかはまた別問題。美水キャラも、数人がキャイのキャイの言ってる風景には映えるんだけど、顔大アップは正直のっぺりしててあまり柄じゃないという感じで、使い方わかってなさそうな雰囲気。個人的な落ち着きどころは、過去お笑いを目指していたがその後別の職業について、スキルはそのお笑いではない職場で発揮みたいな顛末を考えてしまうけど、まぁそれは自分の勝手な妄想なわけで何とも。


神拾#12

 鳥との従魔契約成功と、自分を引き立ててくれた貴族たちとの別れの巻。従魔契約は個人的にはどうでもよかったが、別れのシーンはくどいながらも、じっくり描いて自分が幼少時、引っ越しの際仲良かった友人との別れなんかを思い出して、これ、なかなかノスタルジー感とらえてて悪くないじゃんと思った次第。
 まぁストーリーに抑揚はつかないしご都合主義もいいところで、冷静に考えたらシナリオに評価すべき点は少ないんだが、なぜか個人的には悪くなかったというイメージ。主人公が過去ブラック労働に従事していたってところで、これは対サラリーマン兵器作品だというのはわかったのだが、アフリカのサラリーマンのように厳しい現状をブラックジョークで笑い飛ばすのは個人的にキツいと感じてたし、シャチバトなんかと同じようにファンタジーであって、同種のにおいを感じたんだけど、シャチバトよりは自分に合ってた感じ。よくわからんが、主人公がコレクター気質なのに共感を覚えていたのかなという気がするが自分でもよくわからん。ケモ耳娘がもうちょっと深くかかわることに期待してたんだけど、総じてどのキャラともあっさりした付き合いだったから、そういう作品なのか、もしくは続きだと深く掘り下げているのかもだがやはりよくわからん。
 荒唐無稽であっても「癒し」方面なのが自分にウケていたのかもしれん。だが、ほかの視聴者もそう考えているかどうかは別といったところか。

無ナナ#12

 ナナがミチルの過去話を聞いて動揺する話。次回ナナの飼い主が動くっぽい流れのように見えたが、次回で最終回。どう考えても物語を閉じるという方向性にはならんと思うので、続きは原作をって感じなのだろうが、量溜まってるのかなという。殺人マシーンに徹しようとしてきたナナが感情を揺さぶられる展開で、この数話が個人的には面白くなってきたなという印象なので、なんか惜しいという感じはする。前半もそれなりに面白くはあったのだが、前にも述べた通り不自然さが結構目立っていたので、事件性の部分をスローペースにしてきてキャラの内面を掘ってきた今がこの作品の旬なのだという気がしてる。

モリアニ#11

 モリアーティとホームズが共闘して列車内殺人事件を解決する話。モリアーティが容疑者全員にあってある仕掛けを施してたというのは、彼のセリフから予想できることではあり、ホームズの推理だけでは決め手に欠けるということを示して、モリアーティの優位性を示していたのはなかなか。まぁ推理する手がかりを後出ししてるのはともかく、時間的制約もあるし、テンポ感も考え合わせてなかなか推理物として緊迫感をよく表現できてたとは思う。
 しかしなんだねぇ。やはり志の広大さからするとやはり小ぢんまりしてるなといった感。やはり元ネタの構図に近づけていくということなのだろうか。引きでホームズの兄を出してきて、アレ?マイクロフトって元ネタで貴族という設定だったっけ?と思ってさっき調べてみたら小役人でしかなかったという。うーん、バランスなのか…。

MWZ#11

 皇帝に会う前に今一つ証拠をつかむために犬丸が潜入捜査を行うが…の巻。前回の、嵐の前の静けさって雰囲気の割にはそれを承けての展開としてはちょっと物足りない感じではあるが、まぁそう齟齬もない感じ。今までもフリーレンの炎だのライカ病だの核反応や原爆病って雰囲気ではあったのだけども、ヒキの爆発シーンでやっぱり核爆発ですか…という。とはいえ、魔獣に変化するのは、それちょっと原爆病の患者に失礼じゃないですかという気がしてはいるんだけど、どうなんだろ?。
 次回に期待するしかないが、やはり全体を見渡してみて、絵とシナリオは噛み合ってはいるんだけど、絵のクォリティの高さに比してやはりストーリー部分は弱いなって印象は変わらない。