キミ戦#9

 魔人サリンジャーの撃退とイスカたちの帰還。いろいろ派手な展開のわりには、イスカが燐の信頼を勝ち得る程度の踊り場的展開で、構成としては無難なところ。ただ、個人的には物語のミッションがわからなくなってきた感じかな。イスカが過去逃亡を助けそのおかげで罪人になったその相手はアリスの妹だったという話みたいだが、それも含めてあと3話でミスミス隊長の問題や璃洒の思惑とか十分に処理できるはずもないので、続きが気になるなら原作をどうぞで終わりそうな気がする。っつーかやっぱり音々の出番無しで終わっちゃうの?って感じ。まぁ個人的にはアリスとイスカの夫婦漫才で十分満足してるんで、二人があんまり重いものを背負い込む前に終わるのもそれはそれで構わないような気もするが。

熊4#9

 ユナが潰れたパン屋の店主を買い取って連れ帰って商売させる話。うーん、ユナが店のオーナーですらなく投資家の立場でパン屋の母娘を助けるという構図自体はよいのだけども、細部が雑すぎる。例えば徳川時代の江戸は百万都市だったわけだけど、あの当時はそれでも世界最大規模の都市だったわけで、では、その江戸ですら仮に常設の食事処があったとしてもあの規模はない。百万人居たら人数的には十分だろうが、徒歩で訪問できたとしても例えば片道一時間かけて店に来ますか?って話で、行列までできたってことはお前ら暇だなというしかない。今まで自炊か、それとも馴染みの店で食ってたはずで、それが急にユナの店にきてちゃ地元経済が混乱するだろうに。あんなに来るとは思わなかったと言ってる割には閉店間際まで営業して用意した材料がちょうど捌けるってどれだけ用意してたんだよというしかないし、パンなら発酵時間があるわけで、どうにもつじつまが合わない。水道の蛇口が描写されてたから水圧管理されてる上水道があったということだし、いくらあの世界がゲーム内仮想現実だとしてもちょっと酷くありませんかね?といった感じ。とはいえ、現代人だったら、例えば広さを実感できる店の大きさといえば、イマドキだと複合商業施設のフードコートを連想するだろうし、そのへんは読者にあわせた提示なんだろうが、とはいえ、本当に原作がああなってたのかねという気はする。映像化に際してそういう配慮をしたのでは?と思うのだが、これは…ちょっと安直すぎるって感じ。
 ユナが貴族の紹介で王と面識を持ったから王がユナを貴族扱いしてユナ宅を訪問するのもおかしくないし、ユナが困ったパン屋に安易にカネだけ渡して支援してないのも好感が持てるし、ユナが大きめの店舗を入手して孤児の自立手段にしたのも全然悪くないし、ユナが人気ものになってクマの着ぐるみが逆にステータスになるのもなるほどなんだけど、そういうシナリオの骨格を支える小道具や背景がこれだけおざなりだと、どうしても引っかかって仕方がなかったという。