八男#2#3

 うーん、正直何がいいたいのかよくわからん。というかなろう系ならそのへんメッセージ性は考慮せず、自分の書きたいように書くで構わないんだけど、それにしてもその書きたいことが何か?というのがちょっと今のところ見えてこない。
 というのも、これ、転生前のリソースを転生後に使わないというのは良いと思うんだけど、ではなぜ転生モノにしたのか、別にファンタジー世界での1つのおとぎ話で構わなくて、主人公の転生設定要らなくね?と思うし、八男という初期設定で、それなりに恵まれてないということを押し出してるにも関わらず、恵まれないならなぜ貴族出身?というのが気にかかる。司書あたりだと、フツーに平民だし、SAOアリスでも天職というのがあれど主人公は基本平民だから、階級をものともせず自分で努力して人生なり困難なりを切り開けみたいな構図になってる。ところが、この作品だと貴族出身。しかも魔法適性は先天的なもので、自分が魔法使いになりたくても適性がなかったらいくら努力してもムリ。で、その魔法属性があることがわかったのも貴族の家に生まれて、そこに適性を確かめるための魔法具があってのことで、要するに魔法適性が無ければその時点で詰んでるし、魔法適性があっても貴族の家に生まれて無ければその時点でやっぱりアウト。しかも今回までの流れで、師匠に出会って無ければ魔法適性があっても主人公が冒険者になる決心をする判断材料にすらならなかったわけで、そこには個人の努力の入り込む余地がない。ヘンな話、この物語は「人間貴族に生まれてナンボのもの」ということしか今の所描いてないわけで、うーん、そういうことならそれは一面の真実を表していて悪くはないと思うんだが、作品の雰囲気見る限りそんなことはないでしょと思うわけでそのへんどーなんでしょ。まぁ1つの可能性として、貧乏でも貴族の家に生まれてるという状況は、一時は先進国だった日本が、今や落ちぶれており、上部構造に支配されて国民同士がいがみあわされてる状況(貴族同士の足を引っ張り合う陰湿な状況)を表してるとも思うわけで、そのへんはまだしばらく視聴してみないとわからんっていったところ。
 しかし、転生前はしがねぇサラリーマンといえども、もう大人だったはずなのに、冒険者予備校で友達作ってリア充を目指すとかちょっとした違和感があった。あとはそれなりかな。貴族が跡取りのスペアとして子作りするとは言っても八男まで作るか?というのは置いといても、長男が跡継ぎをとられないか心配するというのもよく描けてる…んだが、まぁこれも一旦跡継ぎになったら病気になるとかじゃなかったら安泰じゃね?とか、前回次男以降跡継ぎが決まったら続々放逐されているのに、今回それら次男以降が努力してもそれが無駄だった…と嘆息するのも、アレ、そういうこと既定路線なんだったらその頑張ってきたことは放逐後の身を立てる助けになるんじゃね?とか、せっかくそれなりのリアリティをもってきてるのに自らぶち壊していくスタイルちょっともったいない感じ。OP映像ではバトルシーン満載だったから、このような流れになるのは当然なんだけど、そうなると第1話の、領内を開墾するのに魔法を使ってたの、あれ何の意味があったのかとか、不思議な構成。もうちょっと話数が進めば本筋がはっきりするのか、それとも全体通してみてそこで初めて構造が浮かび上がるとかそんなのか?。

天晴#1

 うーん、うーん…。なんか端正な作画だなとおもったら、P.A.worksで、気合い入れてるなと思ったのだが、内容はちょっと微妙。明治初期になっているのに、江戸時代のあり方を色濃く残している日本がふりだしで、海を通じて世界がつながってるというセリフあたりは、もう世界はグローバル経済化しているのに時代に自ら進んで取り残され特権階級の利権を守ることに汲々としてる現在の日本を重ね合わせてるのはわかり易すぎるほど。だが、主人公たちはそういう日本に早々に見切りをつけて渡米の流れで、そこで自動車レースを行うらしいが、冒頭のレースシーン見た限り、日本人である主人公たちの操る自動車が蒸気機関っぽいのに、ライバルのはおそらく内燃機関のように見え、これ、時代遅れの技術で世界に立ち向かうってこと?。主人公の技術者の奇天烈な出で立ちも、まぁそりゃ日本というコミュニティのなかでは異質の存在であることを示す記号だとわかってはいるが、こう他のこういうケレン味のある仕立ての物語にあるような、破天荒な性格ではなくって、むしろ自分の興味のあること以外にはまったく関心がないようなキャラ設定だから、なんとも見かけと中身の相性が悪いこと。
 まぁ冒険活劇っぽい仕立てながら、内容はシリアスのようで、この先の展開を見てみなければまだまだ判断はつかない。個人的には背景の描き込みに魅力を感じるが、そこは本筋ではないと思うんで多くを期待せずとりあえず様子見といったところ。