球詠#9

 初戦突破の巻。この分だと#10と#11で二回戦やって、#12で終わりって感じかね。二回戦負けたら振り返りと俺たちの戦いはこれからだろうし、勝ったら#12はダイジェストで試合の紹介みたいな?。連載は続いているようなのでどっちにしろ終わらないのだが、やはり〆にまとまりがなくなってしまうのは仕方がないか。
 次は強豪校だし、現実にそういうカードで勝つというのは可能性あんまないと思うが、そのへんフィクションなんでなんとでもなるというか。ただ、トーナメントだから負けは一発即死なのがしんどいところ。リーグ戦なら強豪校相手に負けはするけど、その他の試合では勝たせればそれなりにカッコがつくしそれと比べると難しい。しかしなんだな、ストーリー展開に溜めがないとやはり個人的には肩透かし感ある。
 前回の次号予告でサブタイトル目にしてオヤっとは思ったんだけど、実際視聴してみて、流れを正しく説明していてちょっと感心した。弱いチームは理由なくゾーンに入ったら流れに乗ったとか、相手に追い詰められていることも気づかず(というか勝手に自爆して)普段どおりの力が出せなくて流れがきてないとか言ったりするんだが、そうではなく、いかに相手を精神的機能不全に陥らせるか、そのためのある意味マウンティングのような試合運びを積極的に行うことが「流れを作る」ということなんだけど、そういうのが言語化されてうまく説明されてた。ただ、やはりというか、そういうのは1つでもプレーをコントロール出来ないと無理だし、そのためには一定以上の実力が必要。野球で言えばバントの1つも満足にできないチームが流れを作るとか笑止千万みたいなことになるわけで、そうなら別に最初っからついてる実力差を利用して、流れを作る作らないによらず素で勝てませんか?みたいな。なので、野球なんかは監督がその任にあたって、選手は別にそのことに意識することなく自分に課せられた仕事を堅実にこなすだけであったりする。
 全体的には、おそらく最新の野球部事情みたいなのもふんだんに取り入れられているようで、きっとこうなんだろうなというのをぼんやり眺めているだけでそこそこ楽しめる。しかし難しいな。自分は物語上の溜めがないからすべてが順調に行き過ぎて物足りないと感じてるけど、昔、なんかで聞いた話では、衛星放送の大リーグ中継は冷静に解説しているので、それを日本のペナントレースだか高校野球中継に取り入れたら、臨場感がないとお叱りの電話がじゃんじゃん掛かって結局もとの派手な試合実況に戻したらしいから、こういう話運び、他の視聴者どう思ってるのか気になるところではある。

神之塔#9

 競争社会の現実とは…みたいな話。そもそも塔を登らざるを得ない状況になったのは何かを考えると、チーム内では協力が不可欠なのにそのチーム内での裏切り者自身がそういう状況を作ってしまってるという業の深さを構造として示していて、そのへんの仕組み自体はよくできてはいるんだけど、メッセージとしては手垢が付いてるよね…。
 ということで、今までの描写がいろいろヌルかったのではあるが、いちおう形が整った…みたいに感じられた。正直わざわざこのような仕立てにする必要も感じられなくて、もうちょっとひねりが欲しかったのだけども、これでこの作品を作った意義のようなものが見られて一段落。あと3話もあるんでまだもう一捻り二ひねりほどありそうなんでそこらへんはおとなしく待ってるのが吉かな。