防振り#11

 実は前回あたりからぼちぼちなろう原作をチェックしてた。いちおう機械神のエピソード辺りまで読んで、今回のギルド対抗戦は読んでないのだが、正直ツラかった。初期はメイプルのステータス詳細が毎回とはいわないまでも頻繁に提示されてたから、原作者もミクロ視点でのリプレイ記事として書いていて、どうこねくりまわしてもNWOがちょっとした理想的な社会としての視点があるというグランドデザインは感じられなかった。まぁ原作者としても最初はちょっとした趣味というか、手慰み程度ぐらいにしか思ってなかったろうし、途中でブレイクして喜ぶというか戸惑うというか、嬉しい誤算的な感想を欄外に記述してたから、時間をかけて構想してたというものでもないのだろう。全体的な流れを掴むために流し読みした程度なので詳細まで読み込んでるわけではないが、自分がそれまでに読んでいたなろう作品とくらべて代わり映えしないので、まぁそんなものかといった程度だが、10ページも読めばよくある作品の1つという認識で、テーマや題材に興味が持てなかったらその時点で飽きる。アニメ版はかなり初期からNWOが閉塞した日本と対比させる社会構造を描いてると自分には感じられたので、原作読むとシリーズ構成ってのは大事なんだなと改めて思い知らされる。
 さて、今回の話だが、もうお祭り騒ぎで〆ると思っていたから、それなりに構造を描こうとしてるのが感じられて興味深かった。前回総ギルドランキング7位だったから逃げ切り確定でしょと思っていたのが、前回からの区切りで10位ギリギリに設定したのはご都合主義だなと思わなくもないんだけど、それだとドラマ的に面白くはないので、物語を面白くするためにむしろ弱小組織に下駄を履かせる他の作品よりはよっぽどといったところ。そうでなくては、今回炎帝ノ国に遠征するエクスキューズができない。
 で、今回のテーマは情報の重要さかな。戦略と情報の噛み合わせというか、対炎帝戦ではあらかじめメイプルが機械神は見せるなと言われてたのに発動する羽目になったこと、奥の手を見せてもオーブを奪うという成果にはつながらなかったこと。これは視聴者的にはスッキリしないんだけど、弱小ギルドがそこまでしても徒労に終わり、奥の手を見られたことから次は対処が難しくなるというのはリアリティがあって良い。聖剣が攻めてきたのも、トップランナーが、むしろトップランナーであるという位置づけを利用して、おそらく他のギルドは攻めてこないだろうという利点を活かしてわざわざ弱小ギルドの威力偵察に来たというのも良い。別にわざわざ楓の木を攻めなくてもトップ維持は楽勝だろうし、ならばメイプル個人の能力だけでなく、楓の木としての実力を見ておこうというのは、別にメイプルと対戦してみたいというモチベーションだけであるはずがない。やっぱそこはメイプル自身や楓の木の情報が欲しいからなのであって、これは大企業がM&Aで精鋭中小企業を買収するのも基本的にはその中小企業が持つ強みである情報をまるごと吸収するとか、そうでなければマーケット全体を蹂躙して対抗中小を潰してしまうのと似ている。
 これはアニメ版でそういう説明がされていたのかどうか記憶にないが、NWOではギルドの最大人数が8人らしく、そうであるならば大規模ギルドはそういう8人1ギルドの複合体であって今回のようなギルド対抗戦では参加申請時にギルド複合体として受け付けてもらってるということだと思うんで、もしかすると大規模ギルドにしてみれば、次は楓の木もギルドに取り込んでギルド対抗戦に取り組むってことも選択の一つになるだろうし、そうなると将来味方になるのなら良好な関係を築くのも、敵になるのなら潰しておくのも戦略の1つであって、そのためにも情報は重要な要素になる。
 まぁそんなわけで、派手にドンパチやって残り話数流すっていうんじゃなくて、テーマ性もさることながら、ミクロマクロ視点でゲームの対抗戦と現実社会のせめぎあいを織り交ぜながら話が進んでくの、やはり頭の片隅で感心しながら視聴してた次第。



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