虚構推理#7

 今回はセリフ聞きやすいなと感じたのだが、もしかしてセリフの喋り方を変えたのかと思い、前回を見直してみたらそうではなかった。単純にセリフの量が少なくなっているのか、それとも自分の体調が良くて頭の回転がよくなってるとかそんなのか。それでもやっぱりセリフが多くてついていくので精一杯なのは相変わらずで、セリフの意味を検討したり、自分だったらこうするって考える余裕が全く無い。むしろ視聴者を忙殺してミスリードを誘ったり、提示するアイデアを大きく見せる手法なのかもと思わなくもないが…。まぁ小説だと自分のペースで読めるから、原作にそういう意図はないだろう。
 そもそも噂が大きくなったのはそうなるまでに蓄積があったのだから、それを打ち消すためには同等の手間がいるだろうという話。このエピソードに限れば今の所メインキャラが三人になっており、自分てっきり岩永が真相を解くのも解決するのもやってしまうんだろうなと思っていたのだが、解決のアドバイス役を九郎にやらせたのはバランス取ったのかな。紗季はホラー映画における、ゾンビと遭遇して叫ぶ役なの相変わらずやなといったところ。実際に人死にが出たのはやりすぎのような気がしないでもないが、これ、例えばネトウヨサイトの扇動で弁護士懲戒請求が実際なされたことがあるあたり、そうそう的外れでもないかなという気はしてる。噂が真実になっていくのも、政府のウソをJ-NSCあたりの工作で風説が固定化されていく様子と似てるし、なら、事実を積み重ねてウソを解きほぐしていくという過程や、ウソを信じ切ってしまった層にはより強力なウソで上書きするという解決手法も、実際に行われ(ようとし)てることなので違和感はない。とはいえ、コツコツ積み重ねていく過程を一々やってたら地味で仕方がないから、一夜で解決するという劇的な方法で視聴者を楽しませるってことなのだろう。しかし、ここで一見何の関与もなさそうな九郎の親族を出してきて、どう絡ませるのか楽しみというよりは不安な感じ。何の目算もなく出してくるはずがなく、きっと辻褄合わせはそれなりに納得のいくものになってると思うが、個人的には噂が集合して都市伝説という物語と化していく過程とそれに対抗するという大きな構造に魅力を感じていて、そのへんのせめぎあいに期待してたから、個人的な都合を絡ませるのは、ちょっとした引っかかりを感じる。
 しかしなんだねぇ、この作品も絵が崩れないし総集編もない。今回バトルシーンもなかったしそのへん枚数削ってるなぁと思うが、逆にそうやって現場の仕事量の調節してるマネジメントを称賛すべきなんだろう。しかも岩永が義眼義足を外して調べ物をしてるあたりから紗季が入ってくるところまでの、キャラの関係性が感じられる描写とか、これアニメにしただけの甲斐があったというもので、逆に絵としての見せ所を示してるのは他の作品と一線を画してるなという感じ。もしかして作品の制作時期が早めになっていて、余裕持って作ってるとか?。