魔法使いの嫁 第15話

 せっかく、お@遠藤綾の見せどころかと思ったんだけど、やっぱり吐息程度。
 医者がチセを水没させたところも一種の試練なんだろうなと思っていたが、生物が生きようと自然にもがく特性を利用とはちょっとわからんかった。これ、日本で治療に使ったら、(いくら安全を確保していても)訴えられるというやつ。凡そ病気というのは生物が治療する力を利用するだけのことで、あの風邪ですら病原菌やウィルスなどを投薬で根絶するんじゃなくて、ヒトに備わっている免疫の働きを利用するだけのこと。なんか世知辛い世の中というか、そのへん思い上がっている現代人の多さには辟易する。
 あと何気に主人たちを待つシルキーの描写にやられた。普通の作品だったら片方を描くだけで並行して銃後の守りを描くのは極小数。大抵独立した話というかスピンオフの形で、別個に描かれる。その中でゆったり流れる時間を描くのがやはり本作の特徴。過去話までやるのは自分の中でも判断が分かれる感じ。個人的にはないほうがあるより勝ると思うが、そうだとすると別個の話として組み立てる必要があり、その機会を作ることを考えたらこのやり方のほうが確かに収まりは良い。バンシーは泣き女ぐらいの認識しかなかったから検索してみたが、正直この作品のこの解釈が適切なのかはちょっと判断できないな。まぁ適切も何もアレンヂに文句を言ってもやはり野暮なだけ。蛇足ついでに述べておくと、妖精の寿命が長いのと、妖精の国と人間世界の時間の流れ方を変えることを両立させるのも???だし。
 まぁバランスは取っているから視聴者として突然びっくりしてということはないんだけど、基本話の組み立てが躁鬱的なものなので、まだこの展開の仕方に慣れないというか。いやまぁイギリスはローマからするとガリア・ゲルマニアの更に外縁の辺境なので、野外演劇の伝統を汲んでいるだろうから様式なんだと思うしかないが。