たくのみ。 第6話

 ホッケは骨まで食えよ。
 日本酒の代表として獺祭の回。自分は経験がないが飲んだことのある友人の談だと、まるで水のようだと言ってた。それも酒なら旨味だとか味とかそういうのがあるはずなのに、そういうのが一切ないから薄っぺらいとか。水みたいな酒というと自分が飲んだことがあるのは上善如水なのだが、学生時分で当時は純米酒吟醸酒が流行っていたこともあって、上善如水が特別水のようにスイスイ飲めるってことは全然なかったからアレと思ったぐらい。が、おそらくそういうなんちゃって水のごとしと獺祭は違うだろう。で、いわゆる酒臭い酒をこの作品は嫌ってるから獺祭というチョイスは順当なところ。別に飲みたくないというわけではないが、今やプレミア価格あたりまえということなので、定価以上に余分なカネを払うぐらいだったら、他の銘柄を買うわってなもん。酒臭くなくて水のように飲めて値段も安い酒と言ったら、自分が学生時分の頃は白牡丹の本醸造だったんだけど、もう何十年も経って思い出したように買ってみるとぜんぜん違う味*1になっていてガックリ。そりゃ時代も変われば杜氏も入れ替わるわけで、そうなると酒造りの方針も変わるだろうからまぁ嘆いていても仕方がない。その白牡丹だって当時は取り扱っているところが少なくて入手難だったからちょっとしか飲んでおらず、もしかするとそれが自分にとっての偶然の当たりロットだった可能性だってある。
 食事との組み合わせも、割とグレーなところがあって、赤ワインはあの渋みが料理の繊細な味を殺してしまいがちだから相性は結構はっきりするが、白ワインや日本酒はそういう酒自身が強い個性を持っていないことが多いので大抵の料理に合う。が、脂っこさを中和するだろうから、例えば白身の魚でも今回のようなホッケだと赤ワインでも合わないってことはないだろうし、肉じゃがだとか日本料理と赤ワインが相性が悪いってことはないと思う。逆に酒としての個性がなければないほど相性は気にしなくても良いということになるが、それは酒の個性がたやすく料理に消されるってことだから、料理と合わせるという意味がない。が、この料理にはぜひ特定のこの酒をということになれば、それは家庭で管理するにはもうめんどくさいことこの上もないので、まぁ保管するために購入する酒の種類を考えたら定番通りにしとけば楽ではある。なら、酒の個性である旨味だとか味わいだとかを無視したビール最高ってことになるのでは?と考えると、消費量に絶大な差がつくのも納得という。アルコール含有量を基準に考えたら、発泡酒を除くビールと日本酒に値段の差はほとんどないんだけど、日本酒が廃れるのもそうだよねぇ…。


いちおうこの話を視聴後、思い切って購入し試飲したのを以前書いたからリンク
獺祭 純米大吟醸50 試飲 - カタログ落ち

*1:純米や純米吟醸を奮発して買ったので、もしかすると安い本醸造だと味は変わってないかも