たくのみ。 第5話

 なぜかベッドには枕が二つ。
 あ〜、これこれ。赤ワインを最初に飲んだときの渋っ…て感覚。自分が初めてワインを飲んだのは赤ではなくておそらくロゼタイプのものだったから、それに関しては渋いとは思わなかったんだけど、それにしてもみちるのようにぶどうジュースのようなものと考えていたからロゼでもその想像との乖離に戸惑った記憶は確かにある。それで赤を飲んだときにも同じ感覚。で解決策がジンジャーエールですか。安物のワインなら今ではどこでも手に入るだろうし、ジンジャーエールもそう。特定の商品じゃないとダメって構造ではないから今回ばかりはふむふむと思いながら視聴してた。
 自分の場合、ワイン自体を飲みやすくするという方向ではなくて、いろいろ調べた結果、赤ワインは食い物との組み合わせが大事というのを見てそれから突破していった。やはり定番は肉料理ということで、まだ自分の懐具合がよかったころは、それでも安いという制限は課したが、スーパーで肉を買ってきてわざわざステーキを作って食い合わせを試したのだ。結果はなるほど肉料理と合わせるものなのかと納得したという。肉に含まれる脂肪分を赤ワインのあの渋みが緩和してくれるのか、ステーキの脂っこさを感じさせないし、肉と一緒に飲むと赤ワインのあの渋みがほとんど感じられず、よくワインの説明にあるやれカシスだとかベリー類のとかという味わいが強く感じられるようになってくるのだ。チーズもカマンベールをわざわざ買ったりしたが、肉ほどではないけれど、やはりそれぞれの短所を打ち消して長所を引き立て合う感じ。結局そうやって何度か飲んで赤ワインというものに慣れたせいだろうが、今となってはそのような特定の食い合わせを考慮する「つまみ」なしの、酒単体で飲めるようになってはいる。そういう通過儀礼を経て自分の場合はワインを受け入れることができたという経過がある。今回はそういうやゝこしい手順を踏まずにとりあえずワインの口当たりを良くするって試みなので、初心者向けとしてよくできているとは思った。
 が、なんだろ?。口にあわないんだったら、そうやって無理に工夫しなくても、自分が好きな酒を飲むということで別に構わないんじゃ?というのは触れない方向。ビールが飲めるんだったらビールで構わないじゃないかとか。そのビールも最初は苦かったりしてそれなりにハードルはあるんだよね。それ言っちゃぁ話にならないからアレなんだけど、うーん、なんていうか、かくいう自分も別にうまいものは口にしたいが酔いたいとは全然思わないわけで、とはいっても、晩飯のアテにノンアルコールのソフトドリンクを飲むか?と言われると、炭酸飲料だとかオレンジヾュースよりは、確かにちょっとしたアルコール飲料のほうが糖分が少なくて食事には合うんだよね。いやまぁ茶とかでもいゝんだけど、もうそれもめんどくさくて、わざわざ飲み物を用意するより食事に味噌汁だのスープだのを作るときはそれだけにしてしまうという。