ゆるキャン 第12話

 本当に10年後になってしまったのかと思ったんだけど、アメリカに本社で草。
 最終回を視聴し終えて、ネットで無料公開されている初期と、比較的新しい部分の原作を読んだんだけど、アニメは原作の構図を踏襲しているところが多い。原作絵は細い線を重ねているような絵柄なので、アニメ絵とは対極にあるといってよいのだけども、それを除けば結構再現度は高いのではなかろうか。で、アニメにすることによって動くわけなんだが、そのことでプラスになっていることもそこそこあると思う。背景は写真加工かトレースかとは思うんだが、キャラ絵との溶け込みも十分だし、そのへん文句のつけようのない出来。ちなみに原作は四コマじゃなくていちおうストーリー形式のコマ割作品だった。
 シナリオ自体は紹介モノだからその範囲においてよく出来ているし、キャラの成長モノだとかそういうのは個人的にも期待していなかったしなくて十分。但し、関係性の提示としては携帯端末を本当に連絡用に使っていて好ましいと思ったぐらいかな。リアリティを追求するなら束縛関係とかあってもよさそうだが、そういうのも必要としてないのでオッケー。ソロキャンパーの距離感もうまい感じ。
 構造としては今まで何度も述べたとおり、個人で賄える範囲での選択肢が複数用意されていて視聴者がやってみたいと思ったらその選択肢を自由に組み合わせることが可能なシステムになっていたのが特徴的。初心者だろうとそうでなかろうとこれをやるならこうすべきっていう縛りが抑制されていたこと、失敗させてそのリカバリーを描くことのメリットを十分に発揮されているのもよい。器材モノなんだからある程度はそういう流れになってもよさそうなもんだが、単なる物欲刺激系になってなくてこれも好印象。どう楽しむか?がテーマになっていて、十分にそれが発揮されているのが一番だとは思う。自分も視聴し始めるときは自転車ツーリングの知識の一つとしてなにか得られるものがあったら*1いゝやっていう程度だったのだが、機会があったら自分もこういうキャンプをやってみたいなと思うぐらいだった。そしてこれこそがこのアニメがヒットした理由の主因だろう。ネットで見かけたことで、原作は一巻が出たときにとてつもなく売れなかったらしいが、本当か?と疑うぐらい。ドラマとしては当然にしてよりもいに軍配を上げるが、そういう比較なしで見ても良い作品になっていたと思う。きらら枠では珍しいヒット作だねぇ。

*1:逆に器材を最小限に抑える自転車ツーリングの手引きとしてはあまり参考にはならなかった