魔法使いの嫁 第5話

 チセがどう問題を解決したのかわかんなかったよ。
 で、もういちどエアリアルの台詞を二度見して、おそらくマシューの思念であるところの淀みの原因はミナを失ったことなんだから、ミナをマシューに返してやれば淀みは解消するということなんじゃなかろうかと思った次第。しかしよくわからんな。そうなるとネコの怨念の存在理由が見当たらない。自分がふと思ったのは、マシューが旅の魔術師に騙されてネコを殺めるのは、もしかすると会社員がやれ家族のためにだとかローンのためにだとかで倫理的によくない仕事*1を上司とかクライアントにさせられるって構造。マシュー自体が弱者という描かれ方だから、強者の半強制によってさらなる弱者を痛めつけるってことでは一緒なんだが、そこまで意識して原作者が描いているかどうか自分でも怪しいと思っている。ネコの王が先導を志願しだすのも不明。別にネコがなんのメタファーなのかは曖昧でも良いのだが、といっても練り込みが足りないとは感じる。
 なんかチセがトラブルシュートできて凄いみたいな流れで終わったようだが、これ、よく考えてみるとエリアスによるチセの修行の一環なんだよね。エリアスはもとから「浄化」がミッションだって言っているし、エアリアルは浄化にしろ消滅させるにしろとチセにヒントを前回与えて*2る。エリアスは苦手だと言っていたが、まぁそれは方便で、おそらくチセが答えを出して行動に移るまでにどういう経過をたどるかまで熟知の上でチセを試したと考えるしかない。それが証拠に、解決の暁にエリアスが登場したって描写だしね。ゴール地点で先生が待ってたってことでしょ。
 うーん、なんかこれが本当に原作の人気があるのかよくわかんないな。原作者の知識が十分にあるのはわかるし、それは抑制的に作品に表現されているだけってのもわかるんだけど、雰囲気に醸し出させようとしている割には今の所そんなに深みのある作品だとも思えなくて困惑気味。まぁ見続けているとそれなりに伝わる部分も多くなるだろうし慣れて解釈もしやすくなるんだろうが、ちょっとスロースターターだなといった感じ。この作品を支持している若者層がどこに惹かれているのかちょっと知りたいところだな。

*1:ネコがいなくなることによって村にネズミが増えて困っているということなので、ネコもまた組織の一員であるはず

*2:エアリアルを連れてくる事自体がチセに対するヒントになっているわけだが