つうかあ 第12話

 私達の(男をめぐる)戦いはまだまだ続くEND。
 うーん、前回の予想通りでしたか…、うーん、うーん。いやまぁ負ける展開だと最終回としてはしょぼしょぼになってしまうんで、これは王道踏襲のほうが確かによりマシとはいえるんだが、それにしてもだなぁ。
 終わってみればこんなもんかねぇといった印象。マイナースポーツがテーマだということで知らない世界を知ることに対する期待感だとか、二人の協調が必要なものということで関係性へのクローズアップという側面にも期待してたんだが、どうにもコレジャナイ感があって個人的には不完全燃焼気味という感じ。主人公以外のチームの担当回をじっくり描くことで関係性を描くところはキャラのコントラスト(双子回は逆に統一性)を強めてわかりやすく工夫をしているし、テキストもそう悪くはないのだけども、なんていうのか、どうにもすっきりしない感が視聴後感の足を引っ張ってる感じがしてね。いや、そういう抜け感はむしろ除外すべき作品だしこの方向性は間違ってない。コロコロコミックみたいな熱血スポーツモノにするというのはこのレースの本質から遠ざかることだしな。
 いやなぁ、基本方針は間違ってないとはいえ、昨今の女子高生部活モノにして萌え要素を入れ、人間関係のマイナス要素を緩和するためにギャグテイストを入れるとか、それも方法として間違っているわけではないのよ、上記の結局主人公ペアに優勝させるとか、1クールの尺だと一つの大会に絞るしかないとか。そのへんなにか病気の症状を治療するために成分Aを追加し、それは確かに症状には効くんだけど副作用があって、成分Aの副作用を緩和するために成分Bを追加し、その成分Bにも副作用があって、その副作用を緩和するために別の成分Cを追加して…を総合的に調合する漢方薬的なそういう工夫をしているのはわかるんだよ。で、完成した製品が、やはりこうサイドカーレースというのは決して機材のスペックによって勝敗が決するのではなくて、二人の関係性が占める割合が大きいという目的を達しているわけで、しかもそれぞれの関係性エピソードもそれなりにテストケースの例示としてよくできていて、こう勝利条件を達成はしてはいるんだよね。動画部分に迫力がなかったわけでもないし、総合的に見ても悪い作品ではない。
 しかしなんだな、例えば近くでサイドカーレースがあったら見に行きますか?と言われたら懐を痛めない程度なら見に行くけど、遠くで開催だとかだったらとか、レース中継をわざわざみるほどではないなぁとかそういう感じ。この作品単体としても、個人的には確かに見て損したとは感じないけど、人にお勧めしますか?と言われたら、こりゃ人を選ぶ作品だよネェと思う。新しい世界に目を見開かされる体験をするから絶対見ろよとかそういうものではない。新しい見識は確かに得られるんだけどね。まぁ製作側としても大ヒットを狙ったものではないだろうし、そんなに視聴者数を稼げなくても想定内のものだろうけど、あんまり人気がなかったとなるとそりゃ厳しいだろうな。力作だとは思うけど、なんというか良かった悪かったという評価をしても意味がない作品だと思う。