THE ROLLING GIRLS 第6話

 もう、ディテールにしか見るべきところはないのか。
 うーん、最后コンペティションにみんなが熱中してそれまでのわだかまりを全部忘れて大団円だとかデウスエクスマキナなのかねと。競技に現れるのが伝説の人だったり、ホント'80年代に見られた話立*1て。主人公の台詞にもあったが、共通のものを持てば仲良くなれるとか、日本人みな一つ幻想ってのもな。一億総中流が信じられていた時代でこそ説得力があった物言い。しかし、確かに'80年代は国全体に勢いがあったから今より格差が小さかったというだけで、人口ヴォリュームの大きな「中流」が日本はこんなものだと勘違いしているその実、貧困もあったし途方もない不正蓄財をしている特権階級もいたわけで、総中流幻想で頭が湧いてそういう現実に目が向いてなかったゞけのことがわかる。そして自民盗を頂点とする、今風の言葉でいえば「上級国民」達が日本が衰退するとその途端公平に分配されるべき富を独り占めしてあっという間に格差が顕在化した現在、そういう'80年代の、経済的安定を抜きにして共同幻想を抱かせるのって、今の若いものへのメッセージとしては罪が深いんでネェのと思う。'80年代を知ってる層には、気付けば懐古も併せて楽しむことができると思うけど、20代以下にはわけわかんないというのが多いのではないだろうか。
 しかしまぁ、やはり'80年代ネタにはなるが、バイクレースの描写が特に当時のスタイルを踏襲していておゝといったところ。直線での張り合いは前方からのカメラワークでスピード感がない様子だとか、カーヴではちゃんとスピードを落として競り合うだとか、実写を意識した描写。おまけに当時ですらどマイナーであったサイドカーのレース(側車の乗員が体を乗り出してバランスを取りカーブをクリアするシーン)もリアリティ重視で参ってしまう。

*1:いや、別に祭りで締め括るのは昔からのテキストにはよく見られたものではあるが