みかんジャム製作

 昨年は、桃ジャムを作ってちょっとジャムに興味が湧き、エントリーに上げなかったものゝ、果実酒に使った桃ジャムを作ったり(ちなみにアルコールが残っていたのか、ちょっと辛めに仕上がって生の桃から作ったのよりかは格段に味が落ちる)、した。さて、果実酒ならいちご酒も作ったので、その抽出後のイチゴを使ってジャムを作ろうかとも思ったのだが、せっかく季節になったので、みかんを材料にジャムを作ろうと思ったのだ。
 マーマレードにしようかとも思ったのだが、店頭に並んでいるのは見栄えよく農薬を使っているだろうから、ジャムにすることにした。それも最初はネットを検索して、外皮は剝くが薄皮は剝かないという気でいたのだが、外皮を剝いてみて、こりゃ薄皮も剝くかなと思い直してそうやってみた。


 というわけで

 果物が安くて、ちょっと贔屓にしているコンビニでおそらくブランド名で流通しているのを買ってみた。外皮が薄くてちょっと手で剝くにはめんどいのだが、逆に薄皮はかなり少なくて、半月切りにしたスイカを例にとれば、ちょうど皮にあたる部分の薄皮が剝けるぐらい。これだけ薄いのだったら、横の薄皮も剝けばよいかもと思ったのが運の尽き。これを一つごと剝いていくことにした。
 割とめんどくさいのだが、生食するときは一緒に食べるのだからと最初のうちはこの薄皮を剝いていくそばから食っていた。果肉が少々ついている上に果汁もあるのでそうそうまずいというわけでもない。しかし大量にあるので飽きる。まぁ実よりえぐみがあるので取り除くことにそれなりの効果はあるんだろうなとは思った。





 剝いた直後は半月状の形になっているので、





 手である程度崩す。





 で、三温糖をバサー。みかんを買うとき2㎏と指定して買ったのだが、廃棄した皮のことを考えると8〜9割ぐらいの重さか。三温糖は500gぐらい使ったと思う。





 で、混ぜて数時間放置して浸透圧現象で水を吸い出した後、加熱。結構水分が出てる。これを煮詰めて半分ぐらいに。煮詰めたあと、レモン汁を入れる。




 で、900mℓの容器に入れるが、瓶の口いっぱいには入らなかった。




 で、今度は別のみかんでやってみる。上記のみかんは2㎏で800円ほどしたのだが、今回はこれまたこの季節、みかんに関してはうまいのを仕入れる地元発祥のコンビニが別にあってそこで購入。五個で150円、一個あたり約200gだからかなり安い。

 調子にのって5セット買ったのだが、これが後で功を奏するとはこのときは思わなかった。もちろん生食するとそこいらのスーパーで売ってるみかんより甘くてうまい。外皮は厚めではあるが、剝きやすい。で薄皮が結構ごついので、これは剝かなくてはと思わされてしまう。で、この薄皮を剝くのが一苦労。半月切りのすいかで言えば、皮のところが身としっかりついているので、これを引き剝がすのがしんどいのだ。もう二度とやるもんかと思いながら完了。




 これは剝くのに苦労するせいか、終わった段階でかなりばらばらになっている。




 だいたい自分はいつも砂糖を使うときは三温糖を愛用しているのだが、今回はちょっと思うところがあってグラニュー糖を使ってみた。不純物が少ない分、すっきりした味と色味よく仕上げることが目的。





 バサーと適当に入れ、





 数時間放置して浸透圧(r、煮込む。




 が、実はこのとき寝落ちして失敗した。煮込みすぎたのだ。なべが焦げるまでにはいたらなかったのだが、内容物がドス黒くなっており、粘性が大きい。実は去年枇杷の時期に枇杷ジャムを作ろうとして失敗した前例がある。同じように煮込みすぎたのだが、どうなるかというと、冷えると固まりすぎてしまうのだ。瓶に入れたが最期、取り出しにくゝなる。なにせ匙が入っていかないのだ。要するに飴になってしまうと考えたらよい。このみかんジャムも一度は瓶に入れてみたのだが、取り出すのが困難になるなと思い直して、まだ内容物が熱くて流動性があるうちに取り出した。いちおう牛乳パックに入れて放置しているが、冷えるとやはり飴に近い固さ。



 で、まだみかんが残っていたので、傷心時期を過ぎたら、あの二度とやるもんかと誓った薄皮剝ぎをもう一度やって作成。今度は寝オチすることなく完成。

 左が新しいやつ。右が上記のジャム。時間が経って食べ進んでしまってる。





 パンに塗った様子。同じように左が新しいやつで右が上記のジャム。




 仕上がりはどっちもゆるめ。市販のジャムやマーマレードだとゼリーのように固まっている感覚があるが、どうもこのジャムでは流動性が大きいように思う。昔なにかの本かなんかで、固まらせる成分であるペクチンは薄皮やわたの部分に多く含まれるとかなんとか読んだような気がするので、それを重点的に取り除いたのだから、固まらないというのはそうかも。レモン汁は固まらせるために必要だということだったので加えたが、ペクチン自体が少ないのであればさもありなんといったところ。



 肝心の味だが、最初に作ったジャムのほうはもうとても酸っぱい。あれだけ砂糖を加えたのにこの酸味の強さは何だ?と叫びたいぐらいに酸っぱいのだ。これをこれまた酸っぱいヨーグルトにかけて食うってのはちょっと考えられないなと思うのだが、実は個人的にはこの酸味強烈な味がとても気に入ってしまった。逆にその次に作ったジャムは甘ったるくて、確かに甘み十分なものを目指してはいたんだけど、この味だったらジャムにするより生食するほうが桁違いにうまいなと感じた。ちょうどみかん味のドロップに近い感じ。で、味がちょっと香ばしいというかボけてる感じ。特にこちらはグラニュー糖を使ったから雑実が少なくすっきりした味になるべきだと思うのだが、味を向上させる手助けにはなってないというか。
 これは好みの問題だとは思うのだが、おそらく最初のジャムはみかんの品種にオレンヂの系統が入っており、それが自分が食べなれているオレンヂマーマレードの味に近かったから好意的に受け入れられたというのがあるかもしれない。対して二番手のジャムはみかんの品種としてはいわゆるマンダリンなので、これがどうにも食べなれてないというかなんというか。



 しかしまぁ、最初作ったみかんジャムは、食べた瞬間酸っぱいと思ったぐらいで、おそらくこれを売り物にしたら全然売れないとは思うのだが、これを気に入ってしまうのでなかなか人の食の感覚というのは不思議だと思った次第。が、これ、みかんの値段が格段に高いので、どうにも考え物。二番手のジャムなら、市販されている安物に匹敵するコストで作れはするのだが、じゃぁこれを今後作りたいか?と言われると、前述のとおり、生食するのが一番であって、わざわざしんどい思いをしてジャムにするなんてバカジャネーノ?と思うぐらい。まぁやってみるもんだなとは感じた。