Q701が壊れた。

 ケーブルを複数作って線材の音質の違いを試したりして楽しんでいたQ701だが、ついに壊れた。



 

 メッシュ部分を取って撮影したのだが、ケーブル差込口が見事ばっくりもげた模様。まぁこれはひとえに自分のせいでもある。大抵寝転がっているのだが、特にこの左部分を下にすることが圧倒的に多いのだ。耳にあたる大型のフランヂ部分とケーブル差込口が組み込まれているユニットはフローティング構造というのか固定されていなくて、その境界部分でこの差込口が外側に押されるようになっている。そう、ちょうどもげるような力がゝゝるのだ。
 別にもげても使用に差し支えなければそのまゝ使うのだが、この状態だと配線だけで繋がるようになってしまい、事実配線がもげた。どうにも力がゝゝる部分なので新規買い替えだろうなとは思ったのだが、修繕でなんとかなるならそうしたい。





 ネットではこの差込口をわざわざもいで、それでバランスド配線にしたりする例をいくつか見かけた。前もK701もプラグ差込口を増設する改造を、やはりK701の配線がどうにもならなくなったときに試してダメだったのだが、もしかして接着剤の進化とかあるかなとか思ってエポキシで固めてみたのだが、





 案の定ダメ。エポキシで固めて組み立てた直後、自分で無理な力を加えたりしなかったのに、上記大型のフランヂ部分が当って簡単にもげた。これではとても実用にならない。





 なのでやはり新規買い替え。密林だとK702ですら三万もするので、いろいろ探してみたらMassdropというサイトで亜種を売ってるというのを探し当て、それを購入。199USDと日本への送料、関税がゝゝるので、おそらく全体で二万五千ぐらいにはなってると思う。安く上げたきゃ素直にサウンドハウスでK702を買えば一万八千ぐらいで買える。この値段だとサウンドハウスでK712を購入するのと同じぐらいか。




 まぁ特に大きな違いがあるというわけでもなく。ちなみにMassdropのK7xxは黒と赤があり、赤のほうを購入。赤のほうが低音が強いらしい。注文してすぐに発送してくれるし、UPSの奮闘でなんと合衆国から4日ほどで届く。ちなみにFedExのサイトで追跡番号を送られてしまい、しばらくトラッキングできないと困惑してた。お茶目。



 実は届いた段階では聴くのもそこそこに次の工程に移行してた。それは何か。何年も使い続けてひしゃげていた耳当ての予備をなんとかできないものかということ。K7xxが届いて耳につけて音を聴いたときに驚いたのが、耳当ての厚み。長年使い続けるとヘたるのはわかるが、音の響きが全く違うのだ。それというのもおそらく耳当ての厚みで耳の周りに空間が確保されることで、なんらかの良い効果が発揮されているらしい。なので、Q701の耳当てをなんとかしたいと思って、予備を買おうと思ったのだ。
 が、耳当ての予備は純正品は在庫がない、もしくは日本での取り扱いがなく、あっても片側4千円もするという。イヤーマフの部分だけ売っていて、耳当ての取り付け部分を再利用するという方法もあるのだが、この工作が大変なのでうんざりしてた。
 そこでピンと来たのが、あんこの取替え。探したサイトの一つに、へたった耳当ての部分に綿を詰めるというのがあり、綿はめんどいなとか思っていた折にひらめいたのが、ビーズを詰めること。ちょうど人をダメにするソファが中にビーズを詰めてたから、それを踏襲したらよいんじゃね?と。




 で買ってきたのが、ダイソーの発泡ビーズ。ネットでggっていろいろビーズの種類を探してたのだが、どうも送料込みで1000円以上する。へたりにくいビーズというのもあって気は惹かれたのだが、うまくいかなかった場合投資金額を回収できないことを考えるとまぁ最初は試しに安いもので実験気分でやってもよいかと思い直し、ネットでggると、やはり100均でも売っていた模様。





 さて、これは中身を抜いて乾燥させたもの。




 これが裏側。ヘッドフォンに取り付ける際の切り欠きの隙間からビーズを詰めるのだ。あらかじめ測定すると5㎜ぐらいのは入るので、3〜5ぐらいのを購入したいと思っていたのだが、ダイソーはちょうどその5㎜ぐらいのだった。





 なにせスチロール樹脂なので静電気が発生する。よくソファのビーズ詰め替えにビーズが部屋中に散らばって大変なことになるというのをネットで目にしたので、空ける時は小さな穴、で、大きな袋の中で作業すれば良いと思った。実際には取り出す量を少なくすればそれほど神経質にならなくてもよいことがわかった。使用する量が少ないからできること。




 ビーズと穴の大きさはちょうど同じぐらい。そのまゝするりと入ってくれないから手で押し込まなければならない。が、大して力は要らないし、ビーズを一つずつ摘むことをしなくても、指の腹で穴の位置まですべらせて押し込めばよいので、一つ一つの作業がやっかいというわけではない。が、基本は一つずつ入れる作業なのでめんどくさいことには変わりがない。




 どのくらい詰めればよいのかは実際にやってみないとわかんないだろう。ある程度の硬さがないと空間を確保できないだろうから、基本は目一杯詰めることになると思う。これ、ビーズの大きさがある程度ないと(詰め込むときは簡単だろうが)、ビーズがこぼれ出るだろうから、あまり小さなビーズはやめておいたほうがよいとは思った。




 へたった耳当てが上、ビーズ詰め替えが左下、純正品が右下になる。




 ヘッドフォンに装着。左がビーズ詰め替えで、右がへたったやつ。




 左がビーズ詰め替え、右が純正品。
 純正品はおそらく樹脂製スポンヂだから、それ自体にそもそも形があって、カヴァーのフランネル地はそれを覆う形になる。が、ビーズを詰めると基本風船を膨らませたと同じ効果になるから、ドーナツ型になるのだと思う。付け心地は純正品のほうがよいが、耳周りの空間の確保自体はビーズ詰め替えでも十分に役割を果たす。付け心地はまぁそば殻のまくらそのものだろう。動かすとビーズのこすれる音がするから神経質の人はやらないほうがよいかも。とはいえ、耐えず動くという状況は考えにくいから、個人的にはどうでもよいとは思った。
 発泡スチロールだから、使用し続けると潰れるだろうから耐久性はわかんないな。とはいえ、純正品の耐久性も知れたものだから、108円で実用に耐えるのならかなりの儲けもの。フランネル地をカッターで切り取る作業を考えたらどっちがめんどくさいかというのはあるが、そのへんどうかな。いちおう発泡ビーズを効率的に入れるために発泡ビーズ一つ分が出るぐらいの大きさの穴がある調味料入れを買いはしたが、上記のとおりビーズは軽く押し込む必要があるぐらいの大きさだったので無駄になった。



 さて、順番としては逆になるが、耳当ての中の中綿を取り出して洗うという工程がちょっとしたもの。




 取り外した直後のもの。ヘたるまで使っているおかげか、中綿はボロボロ。




 樹脂製だろうから、というか、それが幸いしたかボロボロになると粉末状になるので、穴から出すには好都合。逆に粉末にならずに形が残っているとちょっとやっかいではあるが、うまくとりだせば形のある部分が全部引っ張り出せるのでどっちが効率的かわかんないな。





 こんなになってる。おそらく粉末になったのは一部切り欠き穴から出ていたとは思う。




 洗濯洗剤で洗う。揉み洗いしたいところだが、洗剤液に軽く叩く(上下運動させる)ぐらいでも汚れは取れる。時々両手で挟んでこすり合わせたりしても良いだろう。




 一分ほどちゃぷちゃぷやってもこの汚れ。ちなみに先ほどの粉末状になった樹脂製の中綿は穴から水道水をある程度勢いをつけて流し込み、ほかの穴から流れ出るようにすれば流しだせる。
 冬場であるせいか、最初の耳当ては洗ってから乾燥するまで三日はかゝった。それでも生乾き。いやまぁ発泡ビーズが静電気を帯びることを考えたら生乾きぐらいのほうがよいかと思って作業したわけだが、それが効果的だったかどうかはわかんない。片方の耳当てにビーズを詰めてこれは行けると思ってから、もう片方を洗った。三日も待つのはちょっとうんざりなので、手間ではあったがアイロンを使って乾かした。



 どうやらK7xxはエージングはあまり要らないらしい。先ほど聞いてみたが、そこそこ響きが感じられてこれで十分といった感じ。聴き比べをしたわけではないから正確ではないが、Q701よりは低音が豊かだとは思った。が、値段からするとサウンドハウスのK702で十分かもという気はする。