響け!ユーフォニアム2 第9話

 楽器が嫌いな母親が、娘に贈られたユーフォニアムをそのまゝ与えるか?。
 強そうに見えたあすか先輩は弱かったの巻。話の幹部分はそれほどおかしくもないんだけど、いくらお気に入りのように見えても香織などのあすかの古くからの友人が出しゃばりもせず、久美子に全てを託すって構図が今一理解できない。物語的には、久美子を主人公に据えているから、「吹奏楽を続けたかったけど諦めさせられた姉」のエピソードを加えた上で、そのつらさをわかってる久美子だからこそあすか先輩に何か響くものを与えることができるってのは十分理解できるんだけどね。
 あとあすかの父親がプロだというのでもやっちゃいましたか…といった感じ。自分のことを振り返るとなんだが、中学入学時にブラスバンドに入部したかったのだが反対された。その理由が楽器を買えないからというもの。その自分がなんでブラスバンドに入れたかというと、それは転校先の中学校がブラスバンドを新設し、そのときに楽器も一緒に用意されるから個人で楽器を買わなくてもよいということでお許しを得たという。そういう自分にとっては同じくプロを親に持つ高坂とあすかと二人もいるという時点でおとぎ話度が断然アップしてしまった。個人の事情には同情もするが所詮恵まれた者の贅沢な悩みだよって感じかねぇ。そりゃコンクールで全国にも行けるわねぇというのがどうにも頭を離れない。音楽に限らず何事も学習というのは環境によるところが大きいので、幼少時からよい音楽を耳にする環境にいた高坂がそりゃ努力の甲斐もあろうがそれなりのレヴェルに達するのは、少なくともそういう環境を得られなかった人に比べれば恵まれているわけで、そういった点からするとあすかは別に親の演奏を耳にするとか理解のある環境でなかったから高坂よりは一段も二段も落ちるのはわかるが、それにしても…といったところ。こういう物語はそういった下駄を履かされたキャラは高坂あたりを一人配置するぐらいで抑えておくのが定番で、いや定番だからそれに従えっていうつもりは毛頭ないんだけど、あすかの事情として加えるのは個人的には蛇足感が強い。
 あとみんな人が良過ぎ。久美子周辺のキャラは今までの蓄積があるからこれで正解なのだが、いちおう今の体制は昨年どちらかというと真面目な生徒が抜けた後の残り滓がという設定なのだから、いくら部活動が上向きで部員がそれに流されているからといって全てのキャラが個人の事情に同情的って要素を抽出しすぎでねぇの?という感じ。少なくともあすかは部員に嘱望されながらすべての部員と距離をとって部のトラブルにはノータッチという態度だったのだから、コンクール直前で混乱の要因になっている時点でメインキャラ以外が感じているであろう不満とかちょっとは描いておくべきでは?とは思った。まぁそのへんちっちゃなことで、大勢でみると問題があるってわけでもないのだけども。