響け!ユーフォニアム2 第11話

 そうはいってもあすか先輩軽い軽い。
 あすか先輩のトラブル編が終わり、今度は高坂の事情に突入。主人公を軸と考えるとこちらが本体だし、だからこそ終わりに配置されていて、割と力を入れたテキストだったんだろうなと思わされた。
 高坂が久美子を避けていたのは滝のことを言わなかったから怒っていたというのは、さすがに言葉通りに受け取るのはナイーヴであって、直後の告白からすると、おそらく高坂は面を向かい合わせると久美子に当たってしまうからとみるべきだとは思った。自分の感情をコントロールしきれないから、せめてコントロールできる部分だけでもきちんとやって他人に迷惑をかけまいとするという。
 そこで久美子のとる対応はなんか爛れた関係を想起させてこれは本領発揮なんだろうなと。あすか先輩の件については高坂はスパッと切り分けていたわけで、いざ自分がコントロール不能になると取り乱すって、こうなんていうか因果というか、トラブルがたらいまわしにされて爆弾の受け渡しみたいな体を成すといったそういう無常さがむしろ自分的には評価高い。こういう描写があるとラノベとはいえちょっとばかし文学寄りになるよなといったところ。
 ヘンな話、この2クール目で取り上げられている、鎧塚もあすか先輩も高坂(もしくは久美子の姉)も冷静沈着なキャラクター造形であって、どうにもお堅い彼女たちが外見から想像できないほど(精神的に)乱れ乱れまくって女の本性をさらけだすっていう構造こそ「萌え〜」のはずなんだが、自分があまりこの作品の評価を集めてないせいかもしれないせいか、それほどこの作品やキャラ達に人気が集まったという感じに見えないのは残念。いかにも精神的に強そうに見える彼女たちが垣間見せる弱さこそ魅力のはずなのに…。そしてその弱さは普段隠されているからこそ、それを引きずり出す行為がエロティックなわけで、なんかこう肉体的なとか目で見てわかりやすいエロだけがエロなんじゃないよと小一時間問い詰めたい