東坡肉奮闘記。

 ずっと作りたかった東坡肉だが、先週バラ肉が二割引で売ってたので決心してみた。ちなみに作り始めたのは一昨日で、食べたのは昨日と今日。だらだら長くなるがメモ代わりということで。


 ネットで作り方をggってみるが、結構いろんな作り方があって迷った。いちおう自分なりにざっとまとめてみると、

  • 湯でバラ肉を煮る
  • 煮たバラ肉を焼く
  • 焼いたバラ肉を煮込む
  • 煮込んだバラ肉を蒸す

 の四段階で作ってるのがメジャーっぽいのでそれでやってみることに。




 買ったバラ肉。450gほど。普通スーパーで買うと1000円ぐらいするが、買ったのは安売り店でしかも2割引なので4〜500円ほど。早めに作ろうとしたんだけどダラダラ引き延ばして決心したのが一昨日。


 これを湯でざっと煮る。どうやら臭みをとるためらしい。大体20〜30分ほど煮ると書いてあるところが多い。皮付きがよいらしいのだが店頭では確認できなかった。が、裏返すと毛穴の部分が見えるのでどうやら皮つきだったっぽい。でもって煮ると赤身は縮むのだが脂の部分はなにやら水を吸って膨らむという。が、全体でいえば小さくなってしまう。




 ちょっとこゝで寄り道。ずっと前に皮蛋を買ったときに、いつか使うだろうと買っておいた中国醤油。(と紹興酒)

 日本とは違った開けかたをする。上から見ると2時と10時の位置になにやら仕掛けがある。

 これを引き倒して引っ張ると溝が作られていく。残る上の部分がキャップになるっぽい。

 中は日本と同じように輪状のタブを引っ張って開栓するタイプ。

 中を見るとなにやら溝がついている。なんか固形物が流れないように止めているのか?。ちょっとわかんない。

 流しだしてみるとやたら粘度があって濃い。たまり醤油ぐらいの濃さでなんというか日本の醤油より粒度が小さいような印象。



 煮たバラ肉をこの中国醤油と紹興酒を混ぜたものに漬けておく。自分は20〜30分ほど漬けたが、これは絡めたらすぐに焼くというところが多かった。



 フライパンで焼く。ごま油少々で焼いたが、揚げ焼しろというサイトはあるものゝ、油は少なくても良いと思う。なぜならバラ肉の脂が溶け出すから。油が増えて後始末に困るだろうから再処理できない環境だとやはりフライパンにあらかじめ敷く油は少なくても良いと思う。

 焼いた後、余分な脂は除くらしいが特にその工程はいらないかも。

 煮やすいように一口大に切ってみた。そういや焼くのは肉の旨みを閉じ込めるため表面を焼き固めるとあったので焼き直してしまった。



 煮込む際の材料。八角はわざわざ買った。香辛料だからできるだけ新しいものがよいので、ちょっと八角は最初っから作る直前に調達しようとは思っていた。ドラッグストアには当然売っておらず、ちょっと距離があったが遠目のスーパーに行って買う。小さいのに150円ほどした。

 八角のクローズアップ。まぁ確かにこれがあれば香り的に中華料理って感じはする。



 煮込むこと2〜3時間。沸騰するまでは強火、あとは火を弱める。画像からはわかりにくいかもしれないが、バラ肉の脂身から出た油がすごい。これでまた肉全体が小さくなる。

 この煮込んだ後の肉を一晩置いてなじませるわけだが、数十分放置したゞけで脂が固まっていた。そりゃラードそのものだから当然といえばそう。これで第一日目は終了。




 さて第二日目、最后の工程に入る。蒸すわけだが、大抵のサイトでは20〜30分とある。自分はごはんを炊く作業をして、炊けるまで蒸すことにした。サイトのレシピでよく「油をとって」という表現があってなんのことかわからなかったが、なるほど煮込んだ際に盛大に出る脂をとれってことかとこの段階で気付く。

 まぁ蒸し器などないので、大鍋に百均の嵩上げ台を仕込んだ蒸しセットで蒸す。青梗菜を敷くのが本式らしいがそんなの手元にないのでレタスを敷く。煮汁は画像のように少ないが全部ぶっかけ。

 蒸しあがり。なぜか蒸発した水分が凝結して溜まっている。蓋をずらしてすかさずに密閉状態にしたせいだろうか。いつも魚の清蒸のときはこんなに増えることはないのに。でもまぁ煮込んだ際の煮汁があまりにも濃すぎるだろうと感じてはいたので逆に好都合。

 最后の仕上げ。煮汁は別鍋にて再度沸騰させ、水溶き片栗粉で「あん」にする。

 これを注いで出来上がり。

 ご飯の上で崩してみる。全体がホロホロと崩れるという具合ではない。あくまで箸で崩れるほど柔らかいのは脂身の部分でしかなくて赤身はかたいまゝ。とはいえ普通の肉料理に比べるとやはり全体的に柔らかいことには変わりがない。これは昨日で、今日は中華粥を作って具にこれをひとかけら放り込んだというもの。
 味は自分が想像したとおりのものでまぁこんなものかといったところ。但し脂身主体なのでくどいことはくどい。最近日本酒を購入して晩酌にしているのだが、根が貧乏性なので一升で買う。生酒はともかく、普通の最近のクォリティの高い日本酒は開栓してから2〜3日目が味が落ち着いて飲み頃になるのだが、これが一週間ぐらいたつと味がとがってくる(これを日本酒がひねるというらしい)ので、正直味が悪くなる。が、そういうひねた酒でもこれがおかずだと全然オッケーに感じる。それだけ濃厚な味。
 まぁ実質調理にまる一日かゝるので大変といえば大変なのだが、かといって基本的には放置時間が多いだけなので疲労困憊するって感じではない。めんどくさいがもう金輪際作りたくないっていうのではないかな。
 見かけたサイトに自分的に変わってるなというのがあって、それは煮込む工程を省いて蒸す時間をめちゃくちゃ長くしたというレシピ。なるほどこうやって作ってみれば、赤身の部分を硬くしないために加熱はできるだけ蒸すということに大半を割くということらしい。次作るときはそれを試してみたいとは思っているが、自分とこのガスは安全対策のため、長時間使用していると途中で自動に止まるということになってるから注意は必要っぽい。あと水が蒸発しきってしまって空焚きになるのも気をつけなければならない点か。


 自分が大学生の頃、最初の中国旅行で杭州に行ったことがあり、そこの名物料理をということで食べてはみたかったが断念した記憶がある。まぁ学生の貧乏旅行で最初っから贅沢厳禁という態度であったせいではあるが、杭州といえばこじき鳥、東坡肉、西湖醋魚だが、自分が選んだのは結局西湖醋魚だった。20年以上の時間を越えてようやく口にしたわけだがなるほど本場の味も知っておいたほうがよかったかもということを感じなくもなかった。


 難しいところだが、いろんなサイトの作例画像を見ると色が薄いのであるが、自分が想像していた色の濃い東坡肉はやはり中国の醤油を使うのがミソなのかもと思った。別に日本の醤油が劣っているとも思われないし、色を濃くしたいのなら煮詰めればよいだけなので中国醤油を使うのが必須だとは思わない。
 しかし一本500円のバラ肉でおかずとしては一人分というのはちょっと個人的には贅沢だなといったところ。