くまみこ 第1話

 なんかえらい生々しい雰囲気だな。
 どこかで最終回あたりの展開が原作とアニメとで違っているとかなんとか話題になって?いたような気がしてちょっと気にはなっていた作品。コメディタッチではあるんだが、どこか(性的でなくても)いやらしい感じは確かにする。まぁそれだけ製作側としては興味を持って欲しいという態度でもあるんだろう。。小奇麗に作ってしまったら、それはそれでスルーされがちだしな。
 コニュニティの閉塞感に嫌気が差して都市に憧れる若者とそれを押し戻そうとするものとの対比が描かれていて、これは昔からある構図なんだけど、主人公に限界集落と言わせているあたり、構図は昔と一緒でも、前提条件が違っているという問題も提示。昔だったら都市部で傷ついたらふるさとに戻ってそこで暮らすということができたが、今はどうなんだろうな。昔はたとえ現金収入がなくても最低限生きていけるということが可能だったかもしれないが、今や農業をやるにせよグローバル経済に影響されて貨幣経済なしでやっていけるものではなくなっているし、地方自治体も交付金がなければおそらく運営できない状況だろう。土地の実力者も昔だったら包摂力があったかもしれないが、経済力があるものはおそらく
都市部にも基盤を移している*1だろうし、もはや在来のコミュニティを経済的に差配するだけのものを持っているという感じのはほとんどいなくなっているはず。
 クマが主人公に外に出て行くなとはいうが、それで主人公を将来にわたって食わせていけるだけのものがあの土地にあるのだろうか?とも思うが、おそらく設定ではいちおうできるような雰囲気にはなっている。が、そういうことだと、日本に存在する限界集落の大半はこのモデルにはあてはまらないからそのへんどうなんだろ?という気はする。まぁこの物語のドタバタがどう転ぼうとも別に地域興しが成功するとかはどう考えてもありえないので、その辺地方住民の心境のあり方をどう描写していくのかをちょっと楽しみにしてみたい。

*1:収益の上がらない土地に縛られていたら没落するだけ。