異能バトルは日常系のなかで 第4話

 前回は灯代の担当回かというには弱かったのが、今回はガチでの千冬担当回。
 なんか千冬のキャラ設定が微妙というか、よくよく考えなくても高校の文芸部に小学生が入り浸るってなんなの?という疑問に答える回だったのかも。千冬のありかたは現代における子育てのいびつさを感じさせるものではあるんだが、お話としては正味おもしろくないというか。文芸部の面々が千冬にとって面倒見の良くて、ちょっと普通では考えられないような面々であって、それが禁断の面白さを感じさせるんだろうけど、もともとこの物語が千冬の視点で描かれていないし描かれるべきでもないし、今回に限って千冬視点を際立たせたというわけでもないので、苦笑って感じだ。作りようによっては針穴写真機を覗くような面白さを作り上げることができそうなんだけど、原作自体がおそらくこのようになっていて、面白くするための大幅な改変もしづらいんだろうなとは思わされる。
 ヒロインズが生暖かく主人公を見守ってる構図はわかるんだが、今一彼女達がどう思っているのか、ラノベフォーマット特有の主人公に対する恋慕を抜きにした彼女達の実存ってのがこれからあきらかになってくるんだろう。なんつーか、日本版のハロウィンの盛り上がりを見てると、普段社会の歯車として疲弊させられている若者をまさに活写してるんじゃないかとも思えるんだわな。一昔前はコスプレなんていゝ大人がするもんじゃなかったのだけども、コミケで目の当たりにして、初見ではヒきながらも、非日常を楽しむ姿にあこがれるとかそんなのがありそう。ヒロインズは今では異能を持つ存在として視聴者から特別の存在と思われがち*1ではあると思うんだが、しかも自分のような経済成長期およびその終末期を過ごした昭和期の世代が若者であったときには、まだ将来に明るさを感じることができたのだが、それとは違ってれっきとした常識人であり、現代が停滞した、しかも少しでも社会が成長するとかそういうのではなく情勢は方向として悪くなっているのを痛感しているからこそ、そんな状況と無関係に自分の世界を楽しんでいる主人公、もしくは息苦しい日常から開放してくれた(異能をもたらしてくれた)主人公に対する男女の仲を超えた感謝というのはあるんじゃなかろうか…。条件反射的に主人公に対して行いが恥ずかしいだとかありえねぇとか思ってはいても、いざ振り返ると恥ずかしくてもこの日常を楽しんでいる自分を確認せざるを得なくてといった感じ。今回もそういう表現があったが、秘密の共有それ自体も楽しかったりするだろうし。

*1:ヒロインズも主人公の中二ぶりにあきれながらも、