ガッチャマンクラウズ 第6話

 展開が速いのか遅いのかよくわからんな。
 はじめがガッチャマンであることを爾埜美家に明かし、爾埜美家にガッチャマンをやめて仲間に入れと言われるというながれ。はじめが公衆の面前でカミングアウトする展開も驚いたが、結局のところ、これはネットでの匿名性に関する問題提起なんだろうなと思った。爾埜美家のあり方は逆だしな。
 また爾埜美家の、ガッチャマンのような特異な能力を持つものが人々を助けるというのではなく、みんながヒーローになるべきという主張に対してはじめは却下するという。はじめにどんな思想を託しているのかはよくわかんないのだが、自分的には爾埜美家の考えは最初から破綻しているというような感じ方をした。みんながヒーローになるんだったら、そもそもそういう内発的な行動を取れるってことはそもそも人々がなんらかの危機に陥らないことになりはしないかとか、みんながヒーローになるべく注意をはらう社会ってそもそもそれはなんて相互監視社会?なんてのが思い浮かぶ。人々を助けたい動機は方向性として正しく、マッチングを合理的に行っているとはいえ、爾埜美家のあり方は独裁者のあり方そのものであって、ちょっとした間違いで暗黒社会が到来する。
 はじめの行動動機とは何か?とか考えてしまうんだけど、現実に彼女のような人間はいるはずもなく、おそらくスタッフの考えるいろんな思想の集合体であって、むしろはじめの周囲の人間を混乱させていろいろなことを暴く役割を与えられており、あまり人間として設計されていると考えるのが正しいのではなかろうか。だからはじめがどのような理想社会を描いて行動しているか?というのは考えるだけ無駄のような気がしている。
 ドラマとしての一連の流れは結構破綻していると思われるが、社会問題に関する投げかけの部分は突出して面白いと感じる。だんだん社会問題が個人の問題に卑小化されていくような気はするが、この前半の問題提起の部分だけでも評価できるというか。